アクション・サスペンス映画 洋画編

[映画レビュー]『オデッセイ』(2015) 見ていて嬉しくなるほどのサバイバル力

今、知的好奇心を刺激されたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:火星を映画館で3Dで観たかったから。
ジャンル:SF、アドベンチャー
原題:THE MARTIAN
泣ける度:(1/5)

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(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved


–あらすじ–
火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きていた。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

トム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』(2000)と『アポロ13』(1995)を足して二で割ったような作品。

『キャスト・アウェイ』の孤独感、サバイバル感、そして、『アポロ13』の緊迫感、人間の底力感の両方を兼ね備えた作品。

 

これらいい映画のいいとこ取りをした感じで、さらには3Dで映画館の大スクリーンで火星を楽しめるとなれば、映画館に足を運ばない理由はない。

この映画を観ていると、「火星って、意外と人間住めそうじゃん」とも思えてくる。

 

火星に一人残された男、宇宙飛行士マーク・ワトニー(マット・デイモン)が、そんな一人残された悲劇を悲しむ暇もなく、どうやったら地球に帰れるのかと常に前向きに考える姿勢に、観ているこちらも励まされる。

この映画はフィクションであり、実話をベースに映画化した『アポロ13』とは、緊迫感の深みが違うといえばそうかもしれない。しかし、フィクション映画だけに、創造性を最大限発揮した、こういうことならもしかしたらできるんじゃないかといった、人間の持つ力の可能性を、見応え感たっぷりに披露してくれる。

 

科学の難しい話はわからなくても、安心して楽しめる映画。

むしろ、こういった人間の可能性を広げる科学なり、その他学問について、勉強する気にさえさせてくれる。

 

マッチョ俳優ファン必見? 筋肉ムキムキのマット・デイモンが登場。

当然のごとく、食料の限られた状況下ではそのムキムキも次第に無くなっていく。

一本の映画の中で、筋肉をつける、そしてとる。『キャスト・アウェイ』でのトム・ハンクスの変貌ぶりにも驚いたが、今作のマット・デイモンのそのハリウッド俳優魂にも感心した。

 

いわゆる「みんないい人」的な映画なので、映画の中に強い葛藤を求める人には物足りない感もあるかもしれない。

また、アメリカが世界の中心的な発想がいやな人にも向かないかも。

そして、ストーリー展開的にも、正直そこまで深い話とも思わない。

 

ただ、この宇宙空間の映像、そして火星の映像は一見の価値あり。

是非、映画館で、3Dでお楽しみいただければ。

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[映画レビュー]『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015) 自分に都合のいいルールで考えていないか?

今、スパイ映画の割り切り感を感じながらも、一方で、人間臭さも感じたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:トム・ハンクス出演映画が好きだから。ハズレが少ないから。
ジャンル:サスペンス、ドラマ
原題:BRIDGE OF SPIES
泣ける度:(2/5)

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(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and DreamWorks II Distribution Co., LLC. Not for sale or duplication.


–あらすじ–
アメリカとソ連の冷戦のさなか、保険関連の敏腕弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)は、ソ連のスパイであるアベル(マーク・ライランス)の弁護を引き受ける。その後ドノヴァンの弁護により、アベルは死刑を免れ懲役刑となった。5年後、アメリカがソ連に送り込んだ偵察機が撃墜され、乗組員が捕獲される。ジェームズは、CIAから自分が弁護したアベルとアメリカ人乗組員のパワーズ(オースティン・ストウェル)の交換という任務を任され……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

トム・ハンクスが出ているというだけで、映画全体に厚みが出てくる。

他の多くの映画が、新しい部屋に新しい家具を入れて綺麗な会議室を作りました的な仕上がりなのに対し、トム・ハンクスの出る映画は、木目調の厚みのある机が置かれている温かみのある会議室といった感じであり、全体的に重厚感を感じる。より、映画を観てるって感じになれる。

 

さて、映画本体の話へ。

最近比較的多い、実話をベースとした映画である。

 

1960年当時の、アメリカとソ連の冷戦状態での、人々が冷静に、客観的に物事を判断できない、凝り固まった価値観でいっぱいの姿が見て取れる。

そんな時代に、ソ連のスパイであるアベル(マーク・ライランス)を弁護することになった「保険」弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)。

 

世間での風当たりの強さは想像に難くない。

そしておそらく、映画の中で語られている以上の恐怖を感じながらの「お仕事」だったのだろう。

 

東ドイツを国家として認めないアメリカ政府の立場もあり、「民間人」として交渉にあたる弁護士ドノヴァン。

スパイ映画にありがちな「死んでも当方は責任を一切負わない」的な、切り離された状態で、相手が本当は誰かも確信が持てず、そして自分が誰であるかさえも相手にわからせることが難しいストレスいっぱいな状況の中、交渉に挑むドノヴァン。

 

当時、全アメリカ人にとっての「クソ野郎」を弁護する立場にあったドノヴァン。

有罪判決ありきの、死刑判決ありきの裁判の弁護をさせられるドノヴァン。

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(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and DreamWorks II Distribution Co., LLC. Not for sale or duplication.

 

二時間そこらの枠内で、これらストレスや葛藤を表現するのはやはり難しかったか。

満足度は高いものの、これら状況の厳しさを限られた上映時間内で伝えきれなかった感があるのは否めない。

 

悲しくて泣けるのではなく、人間としての美しさを見せつけられて、感動して、泣けてくる映画。

スパイ映画の割り切り感を感じながらも、一方で、人間臭さも感じたいあなたにオススメの映画。

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[映画レビュー]『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015) マンネリ感は感じつつも、同時に新しいものを観ているという感じにもなれる

ネタバレはさせたくないけど、どんな感じの映画なのか知りたいというあなたへのレビュー

観て良かった度:(5/5)
観た理由:スターウォーズシリーズ、そこそこファンだから。
ジャンル: SF、アクション、アドベンチャー
原題:STAR WARS:THE FORCE AWAKENS

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(C)&TM 2015 Lucasfilm Ltd.


–あらすじ–
エピソード6『ジェダイの帰還』から30年後の世界の話。以上。

映画の率直な感想から

本作「スターウォーズ」シリーズは、熱狂的ファンも多いことから、いつもより、よりストーリーの核心に触れないようにして、レビューを書いていきます。

 

まずはじめに、「どうせ大したことないんだろ。話題だけだろ。」という私の想定を、完璧に裏切ってくれました。

2015年で一番満足度の高い映画になりました。

 

「それってあなたがスターウォーズファンだからでしょ?」

と、言われそうですよね。

 

そうです。まあまあのファンです。でも映画館に仮装して行くほどの、日劇や六本木ヒルズに観に行くほどの、ファンではありません。

公開初日の初回上映に、家の近くの映画館に駆け込む程度のスターウォーズファンという感じです。

 

じゃあ何が面白かったの?

 

まず言えることとしては、3Dのクオリティーが高かったです。

宇宙船が映画館のスクリーンからめちゃくちゃ飛び出てましたから。

 

その他の「なにが面白かったの?」部分については、以下に、これからいくつかの視点で見ていきたいと思います。

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[映画レビュー]『バタフライ・エフェクト』(2004) 切ない恋のタイムトラベルサスペンスストーリー

今、あの子は今頃なにをしているのかなと懐かしみたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(5/5)
観た理由:タイムトラベル系の映画が好きだから。
ジャンル:サスペンス、SF、ドラマ
原題:THE BUTTERFLY EFFECT

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(C) MMIV ALL RIGHTS RESERVED.


–あらすじ–
幼い頃、ケイリー(エイミー・スマート)のもとを去るとき、エヴァン(アシュトン・カッチャー)は、「君を迎えに来る」と約束した。だが時は流れ、ケイリーとエヴァンは全く別の道を歩んでいた。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

結構好きなタイムトラベルもの映画。

そして多くのタイムトラベルもの映画がそうであるように、この映画も「切ない」。

 

特に、子どもの頃の思い出って切ない。

子ども使うのはある種反則だけど、それがわかっていても、切ない。

 

タイムトラベルもの映画で「切ない」というと、『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』(2013) が、父と息子の心の交流に焦点をあてているのに対し、こちら『バタフライ・エフェクト』(2004)は、幼なじみの女の子との交流を描いている。

誰もが幼かった頃の、初恋を思い出すんじゃないか的な映画。

 

ストーリー展開も秀逸で、最初の10分で引き込まれ、気がついたら映画が終わっている。

「えっ!」、「あれっ?」、「えーっ!」みたいなのが、ずっと続く。

 

エヴァン(アシュトン・カッチャー)が経験する、いくつもの「自分」。

そして、最後に彼が選んだ人生は。。

 

過去を変えると現在も変わっているというのは、タイムトラベル系映画の定番だが、「現在」に戻るたびにゾクッとさせられる、タイムトラベルサスペンス映画。

最後に流れるオアシスの曲がまた、切なさをかぶせてくる。オアシスもあの頃に戻れたら。。とかも思ってしまう。

“Stop Crying Your Heart Out / Oasis”

 

懐かしい気持ちを感じながらも同時に怖さも感じさせ、観終わった後、「フーッ」と脱力させられる映画。

夜中に観て、そのまま寝ちゃえば、その後の夢の中でも楽しめるかも。

 

トライしてみてください。翌朝起きたら世界が変わってるということは、ないと思いますが。

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[映画レビュー]『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014) 争うことなんて、誰も望んでいない

今、もめごとに巻込まれているあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:猿の惑星の第1作目のが好きだから。
ジャンル:SF、アクション、アドベンチャー
原題:DAWN OF THE PLANET OF THE APES

(C)20th Century Fox

(C)20th Century Fox


–あらすじ–
自らが生み出したウイルスによって、人類の90パーセントが死滅した2020年代の地球。サンフランシスコでは、かろうじて生存している人類と驚異的な遺伝子進化を遂げた猿たちのコミュニティーがゴールデンゲートブリッジを挟んで存在していた。人類のコミュニティーでは、衰退を食い止めるためにも、猿たちと対話すべきだとする者、再び人類が地球を支配するべきだとする者たちが、それぞれの考えに従って動き出す。一方、猿たちを率いるシーザー(アンディ・サーキス)は、人類と接触しようとせずに文明を構築していた。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

「猿の惑星」ファンを裏切らない出来に、嬉し涙が。。

「猿の惑星:創世記(ジェネシス) (2011) 」の続きの作品とのことだが、その前作を見ていなくても、十分この作品だけで楽しめる。

他の「猿の惑星」シリーズ同様に、今作についても、一作目の「猿の惑星  (1968)」を上回ろうとはせず、異なる角度からの面白さの切り出し的な形で、新しい猿の惑星を見せてくれる。

 

歴史的背景も含めて、敵対する者同士、どのように歩み寄っていくことができるか。そもそも歩み寄れるものなのか。

映画開始から最後の最後まで、飽きさせないストーリー展開。

この手の映画には一切興味のないうちの嫁も、最後まで見入ってしまうほどに。

 

猿を通じて社会問題を考えるという、なんとも不思議な感じのする映画だが、非常に勉強になる。

世界中のいろいろ争っている人たちにこの映画を見てもらい。なにか気づきを得てもらいたい。

 

この手の映画は好きじゃないという人、少なくないでしょう。そもそも猿が言葉をしゃべること自体、受け付けない、と。

実は私もそうでした。昔、一作目の「猿の惑星 (1968)」を見る前までは。

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[映画レビュー]『リンカーン弁護士』(2011) なんでも金で解決できると思ってたのに。。

今、サクサクと小気味いい法廷映画が観たいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:法廷ものが観たくなった。マシュー・マコノヒーが出てる。
ジャンル:サスペンス
原題:THE LINCOLN LAWYER

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(C)2011 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LCC And LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.


–あらすじ–
ロサンゼルス中を高級車リンカーンで奔走するやり手弁護士ミック(マシュー・マコノヒー)の顧客は、主に麻薬の売人や娼婦(しょうふ)たちだ。ある日、彼の元に殺人未遂容疑で訴えられた資産家の息子ルイス(ライアン・フィリップ)の事件の依頼が舞い込んでくる。ミックは彼の十八番の司法取引で事を丸く収めようとするが、ルイスは無実を訴える。
シネマトゥデイ

あまり重すぎない法廷もの映画が観たいという時にはピッタリの映画かもしれません。

重すぎず、それでいて、陳腐な法廷ものでもなく、非常に楽しめる映画かと。

 

映画開始直後から一つの裁判をずっと追っていくような退屈な展開ではなく、めまぐるしく変化する状況に、おそらくあっという間に2時間を終えてしまうことと思います。

マシュー・マコノヒーの法廷ものというと、「評決のとき」が有名ですが、それとはまた違ったテイストで、この「リンカーン弁護士」の場合は、より気楽に楽しみながら、そして時にハラハラしながら、私は観ることができました。

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[映画レビュー]『コラテラル』(2004) 一晩あれば、人間変わるのは難しいことではない

今、悪いトム・クルーズが見たいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:映画チャンネルで放送されてたのをたまたま見た。トム・クルーズ、ジェイミー・フォックスが出てる。
ジャンル:サスペンス、アクション
原題:COLLATERAL

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(C) Paramount Pictures

 

トム・クルーズが殺し屋ヴィンセントを演じ、ジェイミー・フォックスがタクシードライバーのマックスを演じる。マックスはヴィンセントに脅されて、専属ドライバーとして一晩中人殺しに付き合わされる、というストーリー。

ハリウッド映画に出てくる悪役に、理屈っぽく、哲学じみて、たとえ話が好きな人間が多い気がするが、このヴィンセントもその一人。

そのヴィンセントが、まじめで世渡り下手なマックスに、結果的に、この世で生きて行く上での術を解いていくことになる。

 

最初はテキトーにヴィンセントの話を聞いていたマックスも、次第にヴィンセントの言葉に影響されてくる。その過程で何度とおとずれる、マックスの心の変化が一番の見どころ。

そして、そのマックスに与えた変化が、結果、ヴィンセントにとって仇となる。

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