面白い・コメディー映画 邦画編

[映画レビュー]『あやしい彼女』(2016) 安易な破茶滅茶コメディにしなかったところが成功の要因か

今、良いお母さん、そして、良いおばあちゃんになりたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:多部未華子、要潤と、渋いキャスティングだから。
ジャンル:コメディ、ドラマ、ファンタジー
泣ける度:(4/5)

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(C) 2016「あやカノ」製作委員会 (C) 2014 CJ E&M CORPORATION


–あらすじ–
女手一つで娘を育て上げた73歳の瀬山カツ(倍賞美津子)は頑固でおせっかいな性格のため、周りからは敬遠されがち。ある日、ふと入った写真館で写真を撮り店を出ると、20歳のときの若々しい姿のカツ(多部未華子)になっていた。カツはヘアスタイルやファッションを一新、名前も節子にし、人生を取り戻そうと決意。その後、のど自慢大会で昭和歌謡を歌ったことから……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

とにかくキャスティングが渋い。多部未華子と要潤。

それだけでまず食いついた。

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(C) 2016「あやカノ」製作委員会 (C) 2014 CJ E&M CORPORATION

 

で、実際映画を観てみると、志賀廣太郎、小林聡美と、脇役がいい味出してた。

脇が完璧だから、主演が引き立つ感じで。

 

韓国映画がオリジナルらしいけど、それは見てない。から、比較はできない。

海外映画の場合、ノスタルジーの部分はどのように表現されているのか、そのあたりは興味深いところ。韓国映画のノスタルジー表現は、外国人である日本人に通ずるものがあるのか、など。

 

本映画、歌もの映画典型の話のまとめ方で、いたってシンプルなストーリー展開だが、発せられるメッセージが深いせいか、観ていて次第に惹きつけられる。

劇場では、泣いている人もちらほら。

 

また、爆笑するほどの面白さはないが、多部未華子のブレない演技に心躍らされる。

話の内容から考えても、多部未華子のキャスティングは、あらためて納得感あり。

 

前半なかなか多部未華子が出てこないから心配したが、そのやや長すぎると感じる前フリが、映画後半に効いてくる。

安易な破茶滅茶コメディにしなかったところが成功の要因か。

 

この手のファンタジー系映画って、予告編だけ観ると、なんだか安っぽい印象しか残らないことが多い。だが、実際本編をガッツリ観てみると、そこから発せられるメッセージの深さと、安っぽい予告編とのギャップに、いい意味で驚かされる。

正直、観て良かったと思える映画。

 

観終えた後、心が温まった。

そして、何か大切なものを思い出したような感じになれた。

 

老若男女、みな楽しめる映画。

特に、女性にとっては共感する部分の多い映画ではないか。

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[映画レビュー]『珍遊記』(2016) 松ケンのケツに1800円払えますか?

今、下品なギャグ映画を観たいあなたに少しだけおすすめの映画

観て良かった度:(2/5)
観た理由:原作のファンだったから。
ジャンル:コメディ
泣ける度:笑いすぎて泣けると思いきや、そうでもなかった。

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(C)漫☆画太郎/集英社・「珍遊記」製作委員会


–あらすじ–
天竺へと旅をしていた僧侶の玄奘(倉科カナ)は、たまたま寄った家の老夫婦から妖力で悪さをする不良息子・山田太郎(ピエール瀧)の更生を頼まれる。玄奘は、宝珠を駆使し妖力を封印することに成功。さらに、玄奘は力を失った太郎(松山ケンイチ)を引き取り、旅に同行させることに。道中さまざまな騒動を巻き起こす太郎は……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

くだらなさの究極をいってほしかったが、そうでもなかった。

主演の松山ケンイチこと松ケンの吹っ切れっぷりは、尊敬するものがあったが、それ以外では特に驚きもなく。

 

溝端淳平氏がある種隠し味的に出演していたのだが、やはりイケメン俳優、将来のことも考えてか、松ケンほどは吹っ切れていなかった模様。

溝端淳平や倉科カナあたりの準主役級が、松ケン以上に吹っ切れていたりすると、サプライズとしても面白さが増したのではないか。

 

結局、終始「半笑い」の顔のまま終了。

だんだんとトーンダウンしていく形で、尻つぼみで。

 

そもそもそんなに期待をして映画館に観に行っているわけではないが、やるなら徹底的にバカバカしく作って欲しかった。

原作通りに忠実に物語を進める必要はないが、原作者である漫☆画太郎氏のバカバカしさイズムはしっかりと継承してほしかった。

 

この映画にストーリー性を求めている人はいないだろう。

であれば、懐しのバカバカしいギャグ、汚い言葉遣いを、速いテンポでどんどんぶち込んできて欲しかった。

 

「かぶいてる」って言葉、流行ったな。

少しだけ懐かしさを感じつつも、物足りなさが多く残った。

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[映画レビュー]『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(2014) 「ありえないだろ!」と「いや、ありうるかも」の中間を走る絶妙な面白さ

今、染谷将太で一発笑いたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:長澤まさみ見たさに映画館に。
ジャンル:青春、コメディ、ドラマ
泣ける度:(2/5)

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(C)2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」製作委員会


–あらすじ–
大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気(染谷将太)は、軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することに。向かった先は、携帯電話が圏外になるほどの山奥のド田舎。粗野な先輩ヨキ(伊藤英明)のしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず、逃げようとする勇気だったが……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

以前、映画館で観ておもしろかったので、この度たまたまスカパーで放送していたのを発見し、再度観た。

ということで、今回は二度目の鑑賞。それでも一度目と同じぐらい楽しめた。ゆえに、この映画をおすすめしないわけにはいかないと思い、レビューを書く。

 

当初、染谷将太氏をあまり存じ上げていなく、長澤まさみ目的で映画館に向かったのだが、今観ると、素直に「染谷将太、最高!!」と雄叫びを上げたくなる。

染谷将太氏は、心に影のある、ひと癖ある役がピッタリの俳優だと思っていたが、こういうイマドキの若者役もガッツリハマっている。

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(C)2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」製作委員会

 

普通に笑いながら観れる一方で、ところどころ学びも多い映画。

ちょっと下ネタ的な表現もあるが、それは笑い飛ばせるぐらいのレベルで、下ネタ嫌いの方でもあまり不快には感じないだろう。

 

一人の若者男性の成長ものストーリーとして、完全に映画の中の世界に浸ってしまい、ともに人間的成長を楽しんでしまうため、あっという間の2時間と感じる。

リアルさに欠け過ぎる矢口史靖監督映画はあまり好きではないのだが、この映画に限っては大好きな映画の一つとなった。

 

笑いの中にもホロっと泣けてくる、すごくあと味の良い映画。

脇を固める伊藤英明、優香、そしてもちろん長澤まさみにも大満足である。

 

今宵は染谷将太で一発笑いたいというあなたに、是非どうぞとおすすめしたい映画です。

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[映画レビュー]『ジャッジ!』(2013) 「うまい」と思ったものを「うまい」と素直に言えているか?

今、外国人との国際交流に一つ武器が欲しいあなたおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:DVDのパッケージから、いろいろな人間模様が見れそうな気がしたから。
ジャンル:コメディ

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(c)2014「ジャッジ!」製作委員会


–あらすじ–
大手広告代理店に入社して間もない太田喜一郎(妻夫木聡)は、審査員として参加予定の世界一のテレビCMを決定する広告祭に向かう。夜ごと開催されるパーティーには同伴者がいなければならないことから、同じ職場の大田ひかり(北川景子)も妻として一緒に行くことに。さまざまな国から集結したクリエイターたちが自分の会社のCMをグランプリにしようと奔走する中、太田もひかりと共に奮闘する。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

「ジャッジ!」というタイトルから、最初、法廷ものの映画かと思って観てたのですが、全然違ってた。

CMコンテストの審査員の方のジャッジね。

 

一見ラブコメっぽい気もするが、実際は、今なにかと話題の広告業界について、リアル?に、面白おかしく描いている。

また、世界の中の日本人というものを、少しおおげさには描いているが、ある意味的を得ているものも少なくなく、国際交流の観点から実際参考にできる部分も多いのではないか。

 

「美味しいものは美味しいと言うべき」

というメッセージが、この映画全体を通じて、一貫してブレなく描かれている点が秀逸。

 

最後まで話の展開から目が離せず、笑いながらも一方で感動もあり、非常に楽しめる映画。

広告業界の人と一緒に観てみたい映画ですね。業界的な「あるある」ネタが満載なのかどうか、解説を聞きながら。

 

太田喜一郎(妻夫木聡)の上司役、トヨエツのゲスぶりも最高!

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ゲスな上司役のトヨエツ (c)2014「ジャッジ!」製作委員会

 

とにかく笑いたい時に活躍する一本ではないでしょうか。

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[映画レビュー]『ギャラクシー街道』(2015) それでも見どころはある、か?

「やってしまった感」を自分の目で確かめたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(1.5/5)
観た理由:三谷幸喜作品だから。
ジャンル:コメディ

GALAXY TURNPIKE

–あらすじ–
西暦2265年、木星のそばに位置する人工居住区「うず潮」は、「ギャラクシー街道」と呼ばれるスペース幹線道路で地球と結ばれている。以前はにぎわった街道も開通して150年がたち、老巧化が問題視されてきた。そんな街道の脇で営業している飲食店には、さまざまな星からそれぞれに事情を抱えた異星人たちが集まっており……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

ものすごい「やってしまった感」、この「やってしまった感」こそが、三谷幸喜氏が作り上げたコメディなのかもしれない。

正直、予告編でほぼ全て手の内を見せてしまったのは痛い。見せすぎなければ、それなりの笑いは取れたかもしれないと思った。しかし実際はその手の内のほとんどを事前に予告編で見せてしまっていた。

残り玉がほとんどなかった。

 

公開初日の舞台挨拶時、緊張からだけじゃない、なにか変な感じの静けさが漂っていた。舞台に並んだ俳優たちからは、早くこの場から立ち去りたい的な心の叫びが聞こえてきた気がした。

俳優たちはみな、当て逃げ事故にあったみたいな顔してた。俺は、私は、被害者側なんだよ、って。

 

ご存知の通り、三谷映画は三谷組と言われる有名な俳優陣がたくさん出演する。当初は物珍しさもあったが、今やそれは、なにかスペシャルコント番組にしか見えない。

また、相変わらずセリフが多い映画で、終始うるさく、舞台っぽさが抜けない。映画だからこそ味わえる、細かい仕草や背景の変化などで語る描写がない。

 

実際、小笑いが計二時間で約5、6回ほど。

小栗旬のキャプテンソックスの登場シーンが、私がいた劇場内での最大の笑いだった。

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[映画レビュー]『地獄でなぜ悪い』(2013) グロい、そして美しい。

今、人生を楽しく生きたいと思っているあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:二階堂ふみファンだから。園子温監督作品には個人的に興味を持っているから。
ジャンル:コメディ、アクション

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(C)2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会


–あらすじ–
とある事情から、激しく対立する武藤(國村隼)と池上(堤真一)。そんな中、武藤は娘であるミツコ(二階堂ふみ)の映画デビューを実現させるべく、自らプロデューサーとなってミツコ主演作の製作に乗り出すことに。あるきっかけで映画監督に間違えられた公次(星野源)のもとで撮影が始まるが、困り果てた彼は映画マニアの平田(長谷川博己)に演出の代理を頼み込む。そこへライバルである武藤の娘だと知りつつもミツコのことが気になっている池上が絡んできたことで、思いも寄らぬ事件が起きてしまう。
シネマトゥデイ

まず、園子温作品が嫌いな人は見ない方が良いかもしれません。それぐらい園子温色が出ている作品。

逆に、彼の作品が好きな人は、ものすごく楽しめます。

 

園子温作品を一言で表現すると、「グロい、そして美しい。」といった感じでしょうか。

 

今回の映画の中で、ミツコ(二階堂ふみ)が元彼に別れのキスをするシーンがあるのだが、そのシーンが、目を覆いたくなる一方で、これほどまでに美しいシーンはなかなかないといった感じのものになっている。

その別れのキスを端で見ていた1日限定彼氏である公次(星野源)が、

「別れのキスをあんなカッコ良くする人、初めてです。」

と発するぐらいに。

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(C)2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会

 

見るもの全てが二階堂ふみのファンになってしまうような、二階堂ふみの魅力が最大限に発揮されている映画。

もっとも出演者全てが、監督を含め作り手までもが二階堂ふみのファンであるかのような映画。

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[映画レビュー]『ザ・マジックアワー』(2008) 「底なしの勇気」に感動すら覚える

今、三谷幸喜作品で心から笑いたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:三谷幸喜作品が好きだから。
ジャンル:コメディ

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(C) 2008 フジテレビ 東宝


–あらすじ–
暗黒界の顔役・天塩幸之助(西田敏行)の愛人・高千穂マリ(深津絵里)に手を出してしまった手下の備後登(妻夫木聡)は、命の代償に伝説の殺し屋“デラ富樫”を探し出すハメに。期限の5日が迫ってもデラを見つけ出せない備後は無名の三流役者・村田大樹(佐藤浩市)を雇い、殺し屋に仕立てあげるという苦肉の策を思いつくが……。
シネマトゥデイ

三谷幸喜映画はこれまでいくつか観てきましたが、その中でもこの「ザ・マジックアワー」が一番好きな映画。

 

この「ザ・マジックアワー」に出会うまでは、クスクスッと小笑いが多く、手数の多いポイントで判定勝ちするボクサーみたいなイメージを三谷映画に対して持っていました。

しかし、今回はその小笑いに、大振りのパンチである大笑いも追加されていて、三谷映画の新しい一面を見た感じです。

 

コメディー映画というよりは、どちらかというと「喜劇」といった感じでしょうか。

これまでの三谷作品同様、「劇」感というか、舞台感の強い映画でしたから、この作品をスクリーンに写す必要性があるのかと思われる映画ファンも少なくないかもしれません。

でもやっぱりあの細かい表情での演技や、ささやくようなセリフの面白さは、映画でないと伝えられないでしょう。

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