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[映画レビュー]『図書館戦争 THE LAST MISSION』(2015) 無関心でいることの罪

今、「平和ボケ」している自分に危機感を抱いているあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:自分自身、本が好きだから。岡田准一、榮倉奈々が出てる。
ジャンル:アクション、ロマンス

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(C)2015 “Library Wars -LM-” Movie Project


–あらすじ–
年号が昭和から正化になってから33年、関東図書隊のタスクフォース所属の堂上篤(岡田准一)と笠原郁(榮倉奈々)は、日々理不尽な検閲から図書を守るため奮闘。彼ら図書隊は、全てのメディアを取り締まりの対象とするメディア良化委員会と激しいつばぜり合いを展開していた。読書と表現の自由を守るべく体を張る彼らを、予想外の戦闘が待ち受けていて……。
シネマトゥデイ

前作のレビュー<図書館戦争 / Toshokan Sensou (2013)>でも同様のことを書いたが、まず、この一見バカバカしいと思えるストーリーを、単にバカバカしいとしか思えないとしたら、おそらくこの映画の面白みを味わうことはできないであろう。

しかしながら、命をかけて一冊の本を守る的なバカバカしい話の裏にある、真のメッセージを感じたいというのであれば、この映画は非常に見応えのあるものになる。

 

基本的には、今回の映画から私が受け取るメッセージは、前作と同じである。

それは、「無関心でいることの罪」。

 

表現の自由を守ろうとする図書隊が命をかけて戦っている一方で、世間の大半の人たちは、彼らがなぜ戦っているのかをまったく理解していない。そもそも関心すら持っていない。

図書隊は思う。自分たちは誰のために、何のために戦っているのか、と。

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[映画レビュー]『脳男』(2013) 精神異常犯罪者への対応の難しさ

今、答えのない問題について考えを巡らせたいというあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:犯罪モノ映画がみたかった。
ジャンル:アクション、サスペンス

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(c)2013 映画「脳男」製作委員会


–あらすじ–
残忍な手口の無差別連続爆破事件を追う刑事の茶屋(江口洋介)は犯人の居所を突き止めるが、身柄を確保できたのは身元不明の鈴木一郎(生田斗真)だけ。共犯者と見なされた一郎は犯行が常軌を逸したものだったため、精神鑑定を受けることに。担当となった精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)は感情を表さない一郎に興味を持ち、彼の過去を調べ始めるが……。
シネマトゥデイ

生田斗真ファンの方には失礼だが、この映画はホント期待しないで観ました。日本のクライムサスペンス映画はあまり当たりがないので。

 

そして、見事に裏切られました。

 

いい意味で。

 

「スピード」、「氷の微笑」、「真実の行方」という三つのハリウッドヒット作品のいいところが詰め込まれているような感じが。

 

つまり、ものすごく面白く、見ごたえがあって。

でも一方で、どこかで観たことある感も否めず。

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[映画レビュー]『地獄でなぜ悪い』(2013) グロい、そして美しい。

今、人生を楽しく生きたいと思っているあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:二階堂ふみファンだから。園子温監督作品には個人的に興味を持っているから。
ジャンル:コメディ、アクション

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(C)2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会


–あらすじ–
とある事情から、激しく対立する武藤(國村隼)と池上(堤真一)。そんな中、武藤は娘であるミツコ(二階堂ふみ)の映画デビューを実現させるべく、自らプロデューサーとなってミツコ主演作の製作に乗り出すことに。あるきっかけで映画監督に間違えられた公次(星野源)のもとで撮影が始まるが、困り果てた彼は映画マニアの平田(長谷川博己)に演出の代理を頼み込む。そこへライバルである武藤の娘だと知りつつもミツコのことが気になっている池上が絡んできたことで、思いも寄らぬ事件が起きてしまう。
シネマトゥデイ

まず、園子温作品が嫌いな人は見ない方が良いかもしれません。それぐらい園子温色が出ている作品。

逆に、彼の作品が好きな人は、ものすごく楽しめます。

 

園子温作品を一言で表現すると、「グロい、そして美しい。」といった感じでしょうか。

 

今回の映画の中で、ミツコ(二階堂ふみ)が元彼に別れのキスをするシーンがあるのだが、そのシーンが、目を覆いたくなる一方で、これほどまでに美しいシーンはなかなかないといった感じのものになっている。

その別れのキスを端で見ていた1日限定彼氏である公次(星野源)が、

「別れのキスをあんなカッコ良くする人、初めてです。」

と発するぐらいに。

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(C)2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会

 

見るもの全てが二階堂ふみのファンになってしまうような、二階堂ふみの魅力が最大限に発揮されている映画。

もっとも出演者全てが、監督を含め作り手までもが二階堂ふみのファンであるかのような映画。

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[映画レビュー]『ザ・マジックアワー』(2008) 「底なしの勇気」に感動すら覚える

今、三谷幸喜作品で心から笑いたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:三谷幸喜作品が好きだから。
ジャンル:コメディ

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(C) 2008 フジテレビ 東宝


–あらすじ–
暗黒界の顔役・天塩幸之助(西田敏行)の愛人・高千穂マリ(深津絵里)に手を出してしまった手下の備後登(妻夫木聡)は、命の代償に伝説の殺し屋“デラ富樫”を探し出すハメに。期限の5日が迫ってもデラを見つけ出せない備後は無名の三流役者・村田大樹(佐藤浩市)を雇い、殺し屋に仕立てあげるという苦肉の策を思いつくが……。
シネマトゥデイ

三谷幸喜映画はこれまでいくつか観てきましたが、その中でもこの「ザ・マジックアワー」が一番好きな映画。

 

この「ザ・マジックアワー」に出会うまでは、クスクスッと小笑いが多く、手数の多いポイントで判定勝ちするボクサーみたいなイメージを三谷映画に対して持っていました。

しかし、今回はその小笑いに、大振りのパンチである大笑いも追加されていて、三谷映画の新しい一面を見た感じです。

 

コメディー映画というよりは、どちらかというと「喜劇」といった感じでしょうか。

これまでの三谷作品同様、「劇」感というか、舞台感の強い映画でしたから、この作品をスクリーンに写す必要性があるのかと思われる映画ファンも少なくないかもしれません。

でもやっぱりあの細かい表情での演技や、ささやくようなセリフの面白さは、映画でないと伝えられないでしょう。

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[映画レビュー]『バクマン。』(2015) 「世界一」の漫画が生まれる現場

かつて一度でも漫画にハマったことがあるあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:かつてはジャンプの愛読者だったから。
ジャンル:青春、ドラマ

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(C)2015映画「バクマン。」製作委員会


–あらすじ–
優れた画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高(佐藤健)は、漫画原作家を志す高木秋人(神木隆之介)から一緒に漫画家になろうと誘われる。当初は拒否していたものの声優志望のクラスメート亜豆美保への恋心をきっかけに、最高はプロの漫画家になることを決意。コンビを組んだ最高と秋人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが……。
シネマトゥデイ

かつて一度でも、週刊少年ジャンプにハマったことのある人であれば、楽しめる作品であろう。

そうでない人も、日本の漫画がなぜ世界一かという理由を、この映画を通して知ることができる。

 

小学生の頃、抽選のプレゼント欲しさからか、ジャンプに付いてきたハガキに、掲載漫画の好きな順ベスト3をマークし、集英社に送付していたことを思い出す。

 

実はそれが、漫画家さんの人生を左右する一票となることなどつゆ知らず。

そして、一つ漫画が連載スタートしたということは、一人漫画家が仕事を失ったということも。

 

そんな、シビアなジャンプ編集部の裏側を覗けるのも、この映画の面白いところ。

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[映画レビュー]『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN & エンド オブ ザ ワールド』(2015) 面白いでしょ、これ。

プロレスを純粋に楽しめるあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(3.5/5)
観た理由:原作ファンだから。酷評が気になったから。
ジャンル:アクション、アドベンチャー

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(C) 2015 映画「進撃の巨人」製作委員会


–前編「ATTACK ON TITAN」のあらすじ–
100年以上前、人間を捕食する巨人が現れ、人類のほとんどが食べられてしまった。生き残った者たちは巨人の侵攻を阻止すべく巨大な壁を3重に作り上げ、壁の内側で暮らしていた。エレン(三浦春馬)やミカサ(水原希子)もそんな中の一人だった。そんなある日、100年壊されなかった壁が巨人によって破壊されてしまう。

–後編「エンド オブ ザ ワールド」のあらすじ–
100年以上ぶりに現れた超大型巨人に多くの人間が捕食され、生き残ったエレン(三浦春馬)は調査兵団の一員として外壁修復作戦を決行。しかし巨人に襲われてしまい、アルミン(本郷奏多)をかばったエレンは巨人に飲み込まれてしまう。その直後、黒髪の巨人が出現し、ほかの巨人たちを攻撃するという謎の行動を見せる。人類の存続を懸けて彼らは巨人たちと戦い続けるが……。
シネマトゥデイ

 

二本分一気にまとめてレビューするため、いつものより少し長くなります。

 

そもそもなぜ、ここまでこの映画が酷評なのか?

面白かったという意見も少なからずある一方で、ほとんどの方が酷評される、この「進撃の巨人」の実写版。気になって仕方がなかったので、映画の日で映画料金がやすくなるこの10月1日に前編・後編まとめて二本一気に観てきました。

 

一言で言うと、「楽しめる」という感想です。

 

そして同時に、「酷評する人が多いのもわからなくもないな」と。

 

おそらく原作ファンの方は、存在してほしいキャラクターがいなかったり、原作のイメージ通りにキャラクターが演じなかったりと、許せないことが多いのでしょう。

ハンジ役の石原さとみさんだけが評価を受けるのも、きっとハンジだけは原作通りのキャラを貫ける役回りだったからかもしれません。

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(C) 2015 映画「進撃の巨人」製作委員会

 

でも、アニメの実写版って、アニメ原作通りに作らないとダメなの?

私はそうは思わないです。

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[映画レビュー]『リトル・フォレスト 夏・秋』(2014) 「不便」とやらを、自然と楽しむ人たち

今、田舎でのスローライフを考えているあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(3.5/5)
観た理由:最近、家庭菜園を始めたから。スローライフに興味あるから。
ジャンル:ドラマ

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(c)「リトル・フォレスト」製作委員会

まず、この映画は、「リトル・フォレスト 冬・春 (2015) 」とセットで見るべき映画。そうしないと、映画としてあまりまとまりがないものになってしまう。

それぞれの季節で一時間ほどの話。2本合わせて春夏秋冬で計4時間。

ちなみに「夏・秋」編から観ないと、話が繋がらないので注意。人生は夏始まりということで。

どういう意味があるかはわからないが、人間勢い良く飛び出して、その後壁にぶち当たり、そして復活していく、みたいなものを、夏始まりで伝えたかったのかなと、勝手に想像。

 

ストーリー自体はいたって単調で、東北の片田舎で少女が一人で生きて行く、それを四季の移り変わりとともに追ったという話。

これは「映画じゃない」という人もいるかもしれない。
非常に好みの分かれる映画。

どちらかというと、ゆるい系の映画で、秋の夜長にピッタリの映画なのかな。
夜中にボーッっと観る感じが心地良いかも。あまりボーッとしてると眠くなりますけどね。

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[映画レビュー]『図書館戦争』(2013) 多くの人は自分に関係のないことだと思っていた

今、表現の自由について考えたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(3.5/5)
観た理由:自分自身、本が好きだから。岡田准一、榮倉奈々が出てる。
ジャンル:アクション、ロマンス

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(C)“Library Wars -LM-” Movie Project

はっきり言って、この「図書館戦争」というタイトルはダサい。いや、逆に、こういうのを、ダサカッコイイというのか。

いずれにしてもインパクトのあるタイトルでこの映画に惹かれたことは間違いない。

そしてこの映画は、どこを見どころと考えるか、によって評価が分かれるのではないか。

 

ストーリーはいたって単純。社会に悪影響を及ぼす本をこの世から消滅させたい「メディア良化委員会」と、本を守る「図書隊」が本を読む自由のために戦う話。

それを、

「そんなのありえないし、リアリティーがない」
「本のために武器を取って戦う理由がわからない」

と、思う人には、全くをもって面白みを感じることのできない、なんともバカバカしい映画なのかもしれない。

 

一方で、リアリティ云々ではなく、

「少しファンタジーの世界に浸ってみたい」
「思い入れのある本を手元に一冊は持っている」

という人にとっては、入り込んで観ることのできる映画ではないか。

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[映画レビュー]『僕たちの家族』(2013) 写真には映らない家族の本当の姿

今、家族の絆を見つめ直したいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:飛行機の中でたまたま観た。
ジャンル:ドラマ

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(C) 2013「ぼくたちの家族」製作委員会

典型的な日本の家族、つまり、家族だけど滅多に顔も合わせない、ただ単に法的につながっているだけのようなひとつの家族が、母の病気をきっかけに絆深まる的な話。

すごくありがちな話にもかかわらず、なぜか2時間引き込まれた。

 

私自身、一時期アメリカに滞在していたのだが、その時に感じた文化の違いの一つが、アメリカ人は職場のデスク上が家族の写真だらけ、ということ。いつも心は家族と一緒アピールをしているように。

一方、日本で、日本人で、まずそんなことをしている人は見かけない。外国帰りの日本人がたまに真似してやるぐらいか。

 

自分はデスクに家族の写真とかは置かない。なんか、嘘くさいから。

しかし自分の家族を愛していないかというと、そうではない。

そんな日本人のある種不器用な姿が、この映画でうまく表現されているように感じた。

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[映画レビュー]『メゾン・ド・ヒミコ』(2005) したいけどできない、わからない

今、ゲイに対する理解を深めたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:監督が「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心監督
ジャンル:ドラマ

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(C)2005 「メゾン・ド・ヒミコ」製作委員会

難しいテーマの映画であり、ゲイの世界を知らない自分にはいまいちこの映画は消化しきれないものがある。

また、この映画がどこまでがゲイの世界の真実を語っているのかもわからないが、この映画のストーリーだけを元に言及するということでレビューを書いてみたいと思う。

 

この映画は、メゾン・ド・ヒミコというゲイのための老人ホームで暮らす人たちやそのホームに関わる人たちのお話。

想像に難くなく、日本では彼らゲイに対する世間一般の目は厳しい。その世間一般の目としての役割を果たしていたのが、映画の中の地元の中学生たち。彼らによる、子どもだからこその容赦ないホームへのいたずらが、当時の日本におけるゲイの人たちに対する姿勢の表れなのかもしれない。

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