[映画レビュー]『クロスロード』(2015) ボランティアは偽善で何が悪いのか?

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今、青年海外協力隊の活動について知りたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:青年海外協力隊の活動がテーマの映画だから。
ジャンル:青春、ドラマ

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(c)2015『クロスロード』製作委員会


–あらすじ–
カメラマンを目指す沢田(黒木啓司)は青年海外協力隊に応募し、訓練所でボランティア精神あふれる羽村(渡辺大)と出会う。やがてフィリピンのマニラに赴任した沢田は、スラム街に暮らす子供たちと知り合い充実した日々を過ごす一方、現地の過酷な現実を目の当たりに。任期を終えカメラマンとして多忙な毎日を送る彼のもとに、東日本大震災の復興活動に励む羽村を取材するオファーが来て……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

EXILEの黒木啓司さん主演映画。

青年海外協力隊の活躍を描いた映画で、いままでありそうでいてなかった映画。

 

ストーリー展開としては、想像に難くなく、映画通であれば全てが想定できる展開。ゆえに、ストーリー上のドキドキを味わいたい人にはあまり楽しめない映画。

そうではなく、青年海外協力隊が実際どのように現地で活躍されているか、また、ボランティアとはそもそもどうあるべきか、などを考えたい人には非常に興味深い映画になっている。

この映画を観る目的が明確であれば、多少の臭い演技も問題ないと思えるだろう。

 

私自身、青年海外協力隊を一度経験しておきたかったと思っている一人なため、非常に興味深くこの映画を見ることができた。協力隊ではないが、海外留学を経験している私としては、日本出国前に抱いた理想の形が現地で実現できないもどかしさは痛いほどわかる。

青年海外協力隊創設50周年記念事業の映画ということで、しっかりと協力隊の紹介にも時間を割かれている。事前の70日間の合宿や、その合宿でどのような準備をするのか、など。

 

監督、脚本ともに青年協力隊OBということで、関係者一同総力をあげて作られた映画のようで。

「クロスロード」という、なんのひねりもない映画タイトルが惜しいが、青年海外協力隊の活躍について知るには十分満足のできる映画ではないか。

ボランティアは偽善か?

沢田(黒木啓司)は言う。

「ボランティアは偽善」

と。

結局みんな、自分のために青年海外協力隊として「ボランティア」に行くわけで、人を助けているという自分に酔ってるだけである、と。

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(c)2015『クロスロード』製作委員会

 

私もボランティアに関しては、偽善とまでは言わないが、人は自分のためにボランティア活動をしているのではと思っている。

青年海外協力隊は、現地での生活費や、2年間の活動後の帰国後社会復帰用手当が一定額支給されるなど、各種金銭的なサポートがついており、これが全て参加者自身の持ち出しだったとしたら、何人が自分の貯金をくずしてまでボランティアとして青年海外協力隊に行くだろうか。

 

私はボランティアに関しては、自分のためのボランティアであってもいいと思っている。自分のための行いが、結果、周りの人の幸せにつながるのであれば。

劇中では、写真家ケビン・カーターの「ハゲワシと少女」というピューリッツァー賞を取った写真を例に上げ、ボランティアは偽善か否かを論じている。

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「ハゲワシと少女」By ケビン・カーター

 

この一枚の衝撃的な写真は世界に大きなメッセージを届けたが、その写真をとる前に少女を助けるのが先ではないか、いや、写真家としては写真を通じて世に現状を知らせるため、まず写真を撮ったことは何も間違いではない、と、当時はいろいろと議論があったようで。

青年海外協力隊のボランティア活動に関して言えば、いずれ自分がいなくなった後でも運営が回るようにしないとならない。そのため、上記写真家の例で言うと、写真を一枚撮り、それが自分の名誉のためであったとしても、そのインパクトで世の中を動かすような、そんな活動をするほうが、結果的にボランティア活動としての効果が大きくなるのではとの考えもある。このような活動を、偽善と考えるか否か。

 

この映画を通じて、「ボランティアとは何か?」、「自分のためのボランティアであってはだめなのか?」考える良い機会かもしれない。

 

青年海外協力隊の仕事

青年海外協力隊は、自分がやるしかない、自ら考え行動を起こすしかないという状況にしばしば置かれる。周りに誰も助けてくれない状況がそこにある。そんな時、ルールを守るとか言ってられなくなる。綺麗ごとではすまされない現状がある。

 

志穂(TAO)が赤ちゃんをとりあげるシーンなどがまさにそれで、誰かがやってくれるという状況ではない。自分がその「誰か」である。

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(c)2015『クロスロード』製作委員会

 

羽村(渡辺大)が現地の人のために一生懸命頭を使って考え出したアイデア。しかし、現地の人は興味を示さない。それよりもなによりも彼らは日々の暮らしに追われている。良かれと思ってやっていることが伝わらない。

沢田(黒木啓司)は現地の人間に写真の撮り方を教える。しかしそいつがやる気がない。そして途中でやめてしまう。結果、放置される。何のために協力隊として来たのかわからなくなる。

 

そんな様々な状況で働く青年海外協力隊を、この映画を通じて知ることができる。

理想だけではない、現実の彼らの姿がそこにある。

 

海外での日本人

海外にいる日本人はたいていこの2タイプに分かれる。

1.沢田タイプ

  • 現地にがっつり溶け込んで、なんでも楽しんじゃうタイプ。
  • 現地のものを美味しそうに食い、現地の人とたくさん会話し、酒を酌み交わす。
  • 言葉が通じなくても構わない。雰囲気で楽しんじゃう。

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(c)2015『クロスロード』製作委員会

 

2.羽村タイプ

  • 部屋にこもって一人報告書を作る、生真面目タイプ。
  • 現地に溶け込みたい一方で、その方法がわからずにいる。
  • 沢田タイプを羨ましいと思っている。

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(c)2015『クロスロード』製作委員会

 

どちらかというと、私は沢田になりきれない羽村タイプだったりする。あなたはどっちタイプ?

 

最後にひとこと感想

「自分のためのボランティア」という観点で考えると、青年海外協力隊という仕事は日本人としての自分を見つめ直す、非常に良い機会であるように思える。勉強させてもらう代わりに現地の人たちをヘルプするという感じで。

ボランティアといってもあまりカッコつける必要はなく、堂々と欲を出してやるべきなんじゃないかと。

 

海外にはまだまだ日本人が知らない日本の歴史がたくさんあるようだ。

世界を知り、日本を知るのに、非常に良い機会を与えてくれるのが、この青年海外協力隊の仕事なのかもしれない。

 

予告編

 

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