[映画レビュー]『海難1890』(2015) 人を助ける、助けないを決める判断基準とは?

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今、あらためて自身が日本人でよかったと思いたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:歴史好きだから。忽那汐里出演作に関心があるから。
ジャンル:ドラマ

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(C) 2015 Ertugrul Film Partners


–あらすじ–
1890年、和歌山県串本町沖。後のトルコであるオスマン帝国の親善使節団を乗せた軍艦エルトゥールルが座礁して大破、海に投げ出された乗組員500名以上が暴風雨で命を落とす。そうした過酷な状況下で、元紀州藩士の医師・田村元貞(内野聖陽)やその助手を務めるハル(忽那汐里)ら、地元住民が懸命の救援活動に乗り出す。イラン・イラク戦争中の1985年、日本政府は危機的状況を理由に在イラン日本人の救出を断念。そんな中、トルコ政府は彼らのためにある行動を取る。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

私自身、1890年の海難事故(エルトゥールル号海難事故)を知らなかった。

トルコではみんな学校でこの歴史的事実を習うらしい。日本人が古墳の形の違いを勉強している間に。

 

また、1985年イラン・イラク戦争時の、トルコ政府による在イラン日本人救出についても全く知らなかった。

日本人として、恥ずかしい。

 

よく言われることだが、近現代史はもう少し日本の歴史の授業で取り扱うべきかも。さもないと、私みたいな日本人が大量発生してしまう。

「クロスロード」の映画レビューでも書いたが、海外の人が知っている一方で、日本人が知らない「日本の歴史」がまだまだ世界中にたくさんある。日本人として国際的な場に出た時に、その辺の知識不足が露呈する。恥ずかしさでいっぱいになる。

 

この映画は実話に基づくお話で、劇場では映画冒頭にトルコ大統領の挨拶がビデオレターで流れた。「この映画は世界中の人に見て欲しい作品」とのこと。ちょっと欲張りな発言かもしれないが、すごく同意。

ストーリー展開自体は、歴史的事実を映像化しただけなため、想像されるままであり、次に何が起きる?のハラハラ感はない。しかし、その一つ一つの出来事の詳細な部分について、深く感じることのできる映画になっている。

 

学校の歴史の授業的に、出来事が発生した年と、その概要だけ知れれば良いというのであれば、この映画の予告編を見るだけでいいかもしれない。一方で、教科書的には一言で済んでしまう出来事を、二時間かけてじっくり映像で感じてみたいという人には、「是非どうぞ」と、おすすめしたい映画。

貧しい日本人たちが、時に自らの命をかけて、総力戦で、どこの誰かもわからない外国人を助けるシーンは想像以上に見応えあり。

トルコでどのようにこの歴史的事実が学ばれているかはわからないが、少なくともこの映画を観たら、自分がトルコ人であったなら、日本人を大好きになるであろう、そんな映画。

日本、トルコ合作映画なのに、ボリューム感と「真心」の深みに偏りが

映画のタイトルこそ『海難1890』だが、この映画は二つのストーリーで構成されている。一つが映画タイトル通り、1890年に日本の和歌山県串本町沖で発生した、エルトゥールル号海難事故について。もう一つが、イラン・イラク戦争中の1985年にイランのテヘランでの在イラン日本人救出について。

映画的なバランスでいうと、日本人の真心の深みに8割、トルコ人の真心の深みに2割のボリューム感。結果的に、ちょっとバランス悪くなっちゃった的な仕上がり。

 

テヘランでの在イラン日本人救出の件でのトルコ政府の苦悩的な部分や、在イラントルコ人たちの心の葛藤が、意外とあっさり描かれていて、そこは少し残念。

もっと、トルコ人たちの心の葛藤、そして、真心の深みを映像として見てみたかった。

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(C) 2015 Ertugrul Film Partners

 

したがって、132分というやや長い上映時間にもかかわらず、最後は「もう終わっちゃったの?」的な印象を受けた。

海難事故が発生するのは、映画のタイトルからもわかっていることなので、海難事故が発生する前の前振りの部分をもう少し短縮してもよかったかなと。開始20〜30分間ぐらい、正直ちょっと眠くなったので。

あくびが止まらなくて、目から流れ落ちる涙をしきりに拭いてたんだけど、「この人もう感動してるの?早っ!」って思われてたかも。

 

人を助ける、助けないを決める判断基準とは?

トルコの船が日本で海難に遭い、そこを日本人が助けるという部分がコアになってるこの映画。

その際、自分たちの食べるものもないのに、村中で食べ物をかき集め、自分たちがそれを食べる代わりにトルコ人たちに食料を与える村人たち。

自分たちの生活を犠牲にしてまでなぜ外国人を助けなければならないのかと、当然不満も湧き上がってくる。

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(C) 2015 Ertugrul Film Partners

 

そんな時、

「食物がなくなったのは、今に始まったことじゃない」

と言い放った村長の言葉が印象的で。

 

つまりは、自分たちの生活に余裕があるから、もしくは余裕がないからということを判断基準にして、人を助ける、助けないを決めること自体が間違いであると。

助け合うというのはそういうことではない、と。

 

もっとも心に染みるシーンであり、新たな気づきをもらえたシーンであった。

 

難しい駆け引きなどいらない。

「海で遭難したものがおったら助ける」

というシンプルなルールに沿って、人は行動すべきであると。

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(C) 2015 Ertugrul Film Partners

 

最後にひとこと感想

私が22歳の頃、大沢たかおさんの「深夜特急」がブームだった頃、バックパッカーというのが一時期ブームになった。

そのブームに乗った一人が私。

約一ヶ月間、タイ、ベトナム、ミャンマーとバックパックの旅をしたのだが、急に慣れないことをしたせいか、タイに入国して5日も経たないうちに、現地のスーパー内で倒れた。

 

その時、現地のスーパーの従業員のおばちゃんが私を控室に運んでくれ、ベットのようなイスのようなものに寝かせ、塗り薬を塗ってくれた。そして帰りにその薬を私にくれた。

当時の私はお礼を言い、その場を去ったが、今、そのスーパーがどこにあるのかも覚えていない。ただ、タイ人への感謝の気持ちは今も心の中に残っているし、それ以来、タイは私の好きな国の一つになっている。

 

国民一人一人の行動ってパワーがある。

日本人としては、それぞれ一人一人が日本代表として、このスーパーのおばちゃんのような存在であれればと感じる。

この『海難1890』に登場する村人たちの行動ほどではなくても。

 

予告編

 

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