[映画レビュー]『ルーム』(2015) 想定内のストーリーから想定外の衝撃

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今、未開拓の感情を突いてほしいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:監禁地獄から脱出するというシンプルなストーリーをどう深く描くのだろうと興味あった。
ジャンル:サスペンス、ドラマ
原題:ROOM
泣ける度:涙は出ないけど泣けてくる

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(C) ElementPictures / RoomProductionsInc / ChannelFourTelevisionCorporation2015


–あらすじ–
施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

観る前に抱いたこの映画へのイメージ、それは、

「長らく監禁されていた母と息子がついに脱出する。外の世界って素晴らしい。」以上。

 

これ面白いか? と。

 

実際にあった事件から着想を得て書かれた小説がもとになった映画とのことで、その意味ではある程度、感動するかもしれないが。

2016年アカデミー賞作品賞のノミネート作品というだけで、それがイコールで満足させてくれる映画とも限らないし。

 

そんな、ややハードルを上げた状態でこの映画を鑑賞。

ストーリー展開としては、ほぼ想定通り。特別なことは何もない。ただ、想定内のストーリー展開から、想定外の衝撃をもらった感じ。

 

映画の原作である小説の元となった話はあるようで。この手の誘拐・長期監禁事件は世界でいくつか報告されていて、世界ビックリシリーズ的な番組を通じて日本人の我々もどこかで聞いたことがある話。

ただ、この映画のストーリー自体は小説がベースとなったフィクションのとのこと。ということで、ダイレクトに実話ベースではないらしい。

 

閉じ込められた納屋から脱出するまでの展開には手に汗握る。

そして、「部屋」からの脱出自体が事の解決ではないことを、この映画は教えてくれる。

 

ストーリー前半部分の監禁生活のひどさもある意味見どころだが、むしろより注目すべきは映画後半に描かれる脱出後の生活。

自由を得たはずなのに自由じゃない、幸せになったはずなのに幸せじゃない。

 

ただ単に、誘拐・監禁犯罪のひどさを語る以上のメッセージあり。

心的にもそこまで重くなく、無理に泣かせる系映画でもなく、観るものの心にそれぞれのメッセージを届けてくれる、上質な映画。

100万回死刑にしても足りないぐらいの犯罪

この映画を観てようやくわかったような気がする。

犯罪を犯した人間が逮捕された時点で事件は終わりではないということを。

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(C) ElementPictures / RoomProductionsInc / ChannelFourTelevisionCorporation2015

 

よくテレビのニュースで、この手の犯罪に遭った被害者には社会復帰のために時間が必要だというようなことが語られるが、それがどういうことなのか、この映画を通じてはじめてわかったような気がする。

ニュースキャスターが語る乾いた言葉からは、社会復帰のためのケアの必要性について、なんとなくしかわかっていなかったが、この映画一本で、それがどういうことかスッと入ってきた。

 

それだけに、この映画で描かれているような、誘拐・監禁の罪は非常に重いと感じる。

100万回死刑にしても足りないぐらい重いんじゃないかと。

 

本映画は、作り手が伝えたいとするメッセージがブレるのを避けるせいか、犯罪者に対する憎しみ的な部分にそれほどフォーカスがあたってないが。

 

天才子役、ジェイコブ・トレンブレイくん

5歳の男の子ジャックを演じたジェイコブ・トレンブレイくん。

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(C) ElementPictures / RoomProductionsInc / ChannelFourTelevisionCorporation2015

 

日本のテレビドラマや映画で、セリフ棒読みさせられてる子役たちとは大きく違い、その才能というか、惹きつけられる演技に脱帽。

感情をあらわにするところなど、素のままなんじゃないかと思うぐらいの迫真の演技で。

 

ただ、マコーレ・カルキン臭というか、ジャスティン・ビーバー臭というか、そんなものも感じてしまう。

調子乗って、将来がダメダメになっちゃわないか、ちょっと心配。

 

今は10才の男の子。今後10年間のまわりの大人たちの対応がカギとなるか。

自分なら、確実に調子に乗って人生早々に終わりにしちゃいそうだが。

 

最後にひこと感想

生まれてから一度も「部屋」を出たことがないと、こういう状態になるんだ、と、想像をはるかに超えた少年の言動に驚かされた。

 

母親以外に人間をまともに見たことがない人が、はじめて母親以外の人間に会ったときにとる行動。

常識化されていた「非常識」がなくなったことへの戸惑い。

 

ストーリー展開はいたってシンプルでありながらも、そこから発せられるメッセージは非常に深い。

未開拓の感情を突いてほしい、そんなあなたにおすすめの映画。

 

予告編

 

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