[映画レビュー]『スポットライト 世紀のスクープ』(2015) それは、自分だったかもしれない

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今、自分にスポットライトが当たっていないと感じるあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(3.5/5)
観た理由:アカデミー賞作品賞、脚本賞受賞作品はとりあえず押さえておきたいところなので
ジャンル:ドラマ
原題:SPOTLIGHT
泣ける度:泣けるとか泣けないとかいう映画ではない

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(C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC All Rights Reserved.


–あらすじ–
2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナーを担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

アカデミー賞作品賞を受賞した映画は、興行的にはそれほどヒットしないと言われている。それは、作品自体が玄人好みであり、決して一般大衆受けする仕上がりではないから。

この『スポットライト』もしかり。正直、大衆受けするとはあまり思えない。

 

そもそも日本では、宗教に対する理解に深い人間がそれほど多くないせいか、カトリック教会の枢機卿(すうききょう)だの、神父だの言われても、誰がどれぐらい偉くてどれぐらいその世界で力を持っているのか、ほとんどの人がよくわかっていない。

ゆえに、この手の宗教の闇の部分を描いた作品は、我々日本人には容易に受け入れ難い。

 

それでもこの映画『スポットライト』には、大きな社会的意義を感じる。宗教のことはあまりよくわからない、子どもの頃教会に通った経験がない、という我々日本人にとっても一見の価値はある映画とも感じる。

映画という媒体を通じて、他国の文化や歴史に興味を持っていくのは、ひとつ、映画を観ることの醍醐味でもある。

 

神父という絶対的存在にNoとは言えない環境。

そこに、親がいなかったりと、絶対的立場の弱い子どもたちがいる。

 

絶対的力を持つ神父たちの一部が犯す過ち。

その過ちが巨大な力によって組織ぐるみで隠蔽される現状。

 

そして、その強大な力に対し、信念を持ってぶつかっていく記者たち。

 

徹底的に事実を分析し、データの規則性を見出す。

まさにビックデータ解析。しかもそれをほぼ手作業で、アナログ的にやり遂げる。

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(C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC All Rights Reserved.

 

他のノンフィクション映画同様、この映画にも、実話をベースとした映画のジレンマがある。

細かく描きすぎると登場人物も多くなりわかりにくくなる。一方で、シンプルに描くと、薄っぺらな推理映画になる。

 

Again, カトリックの背景知識や教会通いの経験がない大多数の日本人には、正直あまり感情移入できない作品。

しかしながら、信念を持って、やるべきことをやり遂げるものたちの姿には、心打たれるものを感じるはず。

 

最近仕事に打ち込めてない、そんな人には、信念を持って仕事に取り組む記者たちの姿が刺激になるのでは。

華やかさはないまでも、何度でも観たくなる、味わい深い映画。

それは、自分だったかもしれない

自分がその被害者になっていたかもしれない。自分が被害者にならなかったのは、単にラッキーだっただけなんじゃないか。

そう考えると、正義のために、行動を起こさずにいられなくなる。

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(C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC All Rights Reserved.

 

「生きてるのがラッキー」と感じている被害者たちにとって、自ら声をあげて、この児童虐待問題を解決していこうとはならないもの。

そんな彼ら被害者に変わって声を上げるのがジャーナリスト。

 

映画最後のエンドロールクレジットに、彼らジャーナリストたちが声を上げた「結果」が映し出される。

映画全体を通じて、最もゾクッとした瞬間が、それであった。

 

「それは、自分だったかもしれない。」

そう思うことが、何ごとも行動を起こすためのスタートの一歩と感じた。

 

信念を持って仕事に取り組む姿がまぶしい

それぞれが一人のサラリーマンにすぎない新聞記者たちが、信念を持って仕事にかける姿がまぶしい。

醜い事実を知りつつも、正義のために行動しない輩が多い、この世の中で。

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目先に落ちている千円札には目もくれず、その先にある一万円札の報酬を目指すがごとく。

トカゲのしっぽ切りではなく、問題の根源を追求しようとする記者たちの、さらなる犠牲者を生み出してはならないという強い思いがジンジンと伝わってくる。

 

そんな彼ら記者たちの、次はないという覚悟が凄まじい。

一世一代の一発大勝負にかける彼らの覚悟が。

 

まさに、「プロフェッショナル、仕事の流儀」といった感じで。

 

最後にひこと感想

アカデミー賞作品賞受賞作だからと言って、万人にとっておすすめの映画というわけではない。

ただ、受賞するにはそれなりの理由があるわけで、そこを考えながら映画を鑑賞するのはおもしろい。

 

私は映画の作り手ではないので、専門的な撮影技術のことなどはわからないが、この『スポットライト』という映画のタイトル付けが、作品賞受賞に大きく影響を与えている気がした。

「どうか、正しきエリアにスポットライトを当ててくれ」、という強いメッセージを感じた。

 

予告編

 

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