イギリス

[映画レビュー]『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』(2016) とにかくやっちゃえばいいんだよ

今、一歩目を踏み出せないあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(3/5)
観た理由:実在した人物をモデルにした映画に基本的に関心があるから
ジャンル:ドラマ、コメディ
原題:FLORENCE FOSTER JENKINS
もう一度観たい度:(1.5/5)
florence-01

(C) 2016 Pathe Productions Limited. All Rights Reserved

–あらすじ–
ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレア(ヒュー・グラント)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

そこそこの映画かな、と、それほど期待もせず映画館へ。

結果、そこそこの映画だった。

 

ただ、いつもこの手の映画を観て思うことは、へーっ、こんな人がいたんだ、ということ。

実在の人をモデルにした映画って、かなり脚色してない限り、それほど面白いものには仕上がらないのはわかって観ている。

だから、ある種の見聞を広げるという意味で観たりする。

 

本作の主演がメリル・ストリープ、ヒュー・グラント、という、個人的に好きな2人。

これが無名の俳優2人が演じてたら、多分話題にすらならなかったかもしれない。

 

コメディー映画のジャンルに属するが、そこまで爆笑するシーンもなく、時折、アメリカ映画特有のジョーク的な、そんなものが放り込まれている程度。

好きな人は好き、そうでない人はそうでない、そんな映画。

 

個人的には観てよかったと思った映画だが、映画館に行くほどではないかなとも思った。

ただ、カーネギーホールを映画館の大スクリーンで味わいたいのであれば、劇場へ行くべきかも。

 

可もなく不可もなく。

ただ1つ、「やっちゃえばいいんだよ」という勇気はもらえたかな。

続きを読む

[映画レビュー]『戦場のピアニスト』(2002) 生きようとする人間の本能が切に伝わってくる

ユダヤ人迫害の映画であれど、辛すぎる映画は苦手というあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:タイトルより興味そそられなかったが、いつの日か人に勧められたから
ジャンル:ドラマ、戦争
原題:THE PIANIST
泣ける度:(1/5)

the-pianist-01

(C)2002 PR PRODUCTION/STUDIO BABELSBERG/HERITAGE FILM/RUNTEAM LIMITED


–あらすじ–
1940年、ドイツ占領下のポーランド。ユダヤ系ピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は家族と共にゲットーへ移住。やがてユダヤ人の収容所移送が始まり、家族の中で彼だけが収容所行きを免れた。食うや食わずの潜伏生活を送るある日、遂に1人のドイツ兵に見つかる。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

想像に難くないストーリー展開で、ナチスのユダヤ人迫害のシーンは見ていて心が痛い。

実話ベースの映画であり、ロマン・ポランスキー監督自身が幼少期をゲットーで過ごしたという事実から、劇中描写のリアルさが増す。

 

実に残酷なシーンが多いのだが、見ていて悲しいというより、その光景にただただ圧倒される。

悲しいことは悲しいんだけど、それが度を超えすぎていて、涙さえ出てこない、そんな感じ。

 

実話ベースの話なだけに、ストーリー展開的に面白いかというと、そうでもない。いたってシンプルなストーリー。

ゆえに、映画的エンタメ性を欲するのであれば、あまり満足は得られないか。

 

ただ、終始飽きさせないことは確か。

スタートからエンドまでとにかく飽きさせない。

 

映画というより、スーパー上質な再現映像とも言えなくはない。

特にゲットーでのユダヤ人たちの生活ぶりがリアルすぎて言葉を失う。

 

迫害されるユダヤ人たちの行為一つ一つに対し、「そうだよな」と、いちいち頷いてしまう。

生きようとする人間の本能が、切に伝わってくる映画。

続きを読む

[映画レビュー]『キャロル』(2015) 女性は「飾り物」じゃない

今、新しい価値観に目覚めたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:賛否両論な映画で気になったから。
ジャンル:ドラマ
原題:CAROL
泣ける度:(1.5/5)

carol-01

(C) NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED


–あらすじ–
1952年のニューヨーク。デパートでアルバイトをするテレーズ(ルーニー・マーラ)は、娘へのプレゼントを探すキャロル(ケイト・ブランシェット)に応対する。優雅で気品に満ちた美しさを誇るも、謎めいたムードもある彼女に魅了されたテレーズ。彼女にクリスマスカードを送ったのを契機に、二人は会っては話をする仲になる。娘の親権をめぐって離婚訴訟中の夫と争うキャロルと恋人からの求婚に思い悩むテレーズ。そんな中、彼女たちは旅行に出掛けるが……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

主演の二人、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラがそれぞれ2016年第86回アカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞にそれぞれノミネートされていることからも注目されている作品。

また、私がよくゼロポイント評価として参考にしているYahoo映画サイトにて、その評価が賛否両論真っ二つに分かれているところからも、より興味をそそられて映画館へ。

carol-07

 

賛否両論。。わかる。。といった感じ。

この手のテイストの映画は賛否が分かれやすい。

 

つまり、観ていて何となくカッコイイ映画だけど、いまいち何が言いたいのかそのメッセージが伝わってこないというやつ。答えをくれないというやつ。

世の中には、非常に観やすい、深い理解力や感受性を必要としない、気持ちも楽に楽しめる作品がある一方で、感受性をフルに発揮して、全てを体で吸収して、自分なりに噛み砕いて味わって楽しむ映画がある。

 

この作品は後者の方。

映画ってバランスが大事で、時に気楽に観たり、時に全神経を集中させて観たり。

 

その意味で、今作は非常に味わい深く、また、人によって受け止め方の異なる映画と感じた。

映画評論家や映画ライターが押し付けてくる一方的な価値観に流されることなく、是非とも自分なりの感じ方をしてほしい。

 

「若いから、解決や説明を求める」

と、劇中でキャロルが言う。

 

この映画を観る我々にも同時に投げかけられているように聞こえた。

このブログでは、いつものように、私なりに感じたものを文章にして共有しているが、これもただ一人の映画ファンの感想ということで、あまり、影響を受けすぎないでほしい。

 

一言で表現すると、人も風景も、全てが非常に美しい映画。

女性向けの映画のように見えるが、男性こそ観るべき映画。

 

特に、女性を「飾り物」と勘違いしている輩には観てほしい。

続きを読む