サスペンス

[映画レビュー]『ザ・コンサルタント』(2016) ヘンテコな邦題で逆に先入観が排除されてGOOD!!

今、見事なオチ付きサスペンスを観たいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:やや評判高かったから
ジャンル:サスペンス、アクション
原題:THE ACCOUNTANT
もう一度観たい度:(4/5)

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(C) 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED


–あらすじ–
小さな町で会計士として働くクリスチャン(ベン・アフレック)のもとに、ある日大手企業からの財務調査のオファーが寄せられる。調査を進めるうちに彼は重大な不正を発見するが依頼は突然取り下げられ、それ以来クリスチャンは身の危険を感じるようになる。実は、彼は闇の社会の会計士として各国の危険人物の裏帳簿を握るすご腕の暗殺者だった。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

面白い映画の典型的展開といえばそれまでだが、三つ巴あり、ひねりの後にひねりあり、そして最後の一つメッセージを投げかけてくれる、良作。

原題が「THE ACCOUNTANT」で邦題が「ザ・コンサルタント」。

どちらもムムッって感じですが、逆に変な先入観が入らなくて良いかも。

 

会計士的仕事にスポットをあてているわけでもなく、ましてやコンサルをしているわけでもない。

是非、予備知識なしで観に劇場へ観に行ってはいかがでしょうか。

 

主役が会計士だけあって、ちょっと小難しい話もでてきますが、そして私自身も全てのカラクリを理解して「あー、そういうことね」と言っているわけではないですが。

そんなよく理解できない一部知的なセリフのやり取りは重要ではなく、その背景にある、より深いメッセージを受け取ることができるのでは。

 

人と異なるってどういうこと?

違いが生じた場合、どっちが普通?

 

そんなこと、考えさせれます。

 

最後のどんでん返し、これは薄々勘付いても、最後の最後のオチはなかなか秀逸だった。

 

ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズと好きな俳優陣も出ていて。

あ、この人見たことあると思ったら、ウォーキング・デッドのシェーンことジョン・バーンサルも。(って、今初めて名前知ったけど)

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(C) 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

 

そんな豪華キャストも見どころです。

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[映画レビュー]『マイノリティ・リポート』(2002) 今こそ、ほんのりリアリティを感じることで味が出る映画

今、ちょっと頭を使うSF映画好きなあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:今の感覚で、もう一度観たくなった
ジャンル:SF、サスペンス、アクション
原題:MINORITY REPORT
リピートしたい度:(3.5/5)

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(c) 2002 TWENTIETH CENTURY FOX AND DREAMWORKS LLC.


–あらすじ–
西暦2054年、ワシントンDC。政府は度重なる凶悪犯罪を防ぐ策として、ある画期的な方法を採用し、大きな成果をあげていた。それは、“プリコグ”と呼ばれる3人の予知能力者によって未来に起こる犯罪を事前に察知し、事件が実際に起きる前に犯人となる人物を捕まえてしまうというもの。ジョン・アンダートンはその犯罪予防局のチーフとして活躍していた。しかし、ある日、ジョンは自分が36時間以内に見ず知らずの他人を殺害すると予知されたことを知る。一転して追われる立場になったジョンは、自らの容疑を晴らそうと奔走するのだが…。
Allcinema online

映画の率直な感想から

14年前、それも、アメリカで英語で日本語字幕なしで観た映画。

 

当時の私の英語力といえば、TOEIC800点程度。映画を英語のまま、日本語字幕なしのまま楽しむにはちょっとというか、かなり厳しいレベル。

映画を観ることが英語力を上げる一つの方法であると思い、当時、頻繁に近所の映画館に通ったことを思い出す。

 

そんなレベルの英語力で観た映画、いくら名作であってもそのことに気づけないことは想像に難くない。

案の定、当時の私のこの映画に対する評価は散々なもの。自分の英語力のなさを棚に上げて「つまらない映画」と表していたのを思い出す。

 

あれから14年。

再度鑑賞。日本語字幕付きで。

 

いやあ、実に面白い、深い映画。

ITを生業にするものとして思うこと。それは、この映画はちと上映が早すぎた、ということ。

 

2002年当時での上映では、時代を先取りし過ぎていて、いまいちあの世界にピンとくる人も少なかっただろう。

しかしながら今の時代、頭の中のイメージを映像化することぐらい、なんとかできそうな時代になってきている。

 

そんな今だからこそ、また違った味わいができるのではないだろうか。

一度観たことのある人、以前は「つまらない」と感じた人も、再度鑑賞してみることで、また違った一面を発見できるかもしれない。

 

いくら技術が進歩しても、犯罪予防の難しさを実感できる、そんな深い映画である。

そして、最後に過ちを犯すのはやはり人間の方であるという教訓を提示してくれる。

 

Huluに入ってるので、Hulu会員の人は是非、再度ご鑑賞を。

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[映画レビュー]『ジェイソン・ボーン』(2016) 10年経っても色褪せない面白さ

今、肉体美好き、ボーンシリーズ好きあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(5/5)
観た理由:このボーンシリーズ、大好きなので。
ジャンル:アクション、サスペンス
原題:JASON BOURNE
リピートしたい度:(4/5)

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(C) Universal Pictures


–あらすじ–
ひっそりと暮らしていたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)の前に、CIAの同僚だったニッキー(ジュリア・スタイルズ)が姿を現す。彼女はCIAが世界中を監視・操作するための極秘プログラムを立ち上げたことと、ボーンの過去にまつわるある真実を告げる。これをきっかけに、再び動き始めたボーンの追跡を任されたCIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)は、彼を組織に取り込もうとするが……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

このシリーズ、好きなもので、前作の3部作全て復習してから劇場へ。

自分がこのシリーズ好き過ぎてるからかもしれないが、結果、大満足。

 

Yahoo映画評は、現時点でスコア3.7ぐらいで、まあ、わからなくもない。

今作からいきなり観た人にとってはただのアクション映画に過ぎないとも受け取れるから。

 

映画冒頭、前作からのつながりを説明するのにある程度時間を割くと思いきや、それほど深くは触れず。

ただ単にフラッシュバック的に過去の映像が映し出されるだけ。

 

よって、より深く今作を楽しみたい人は、事前に3部作の復習をオススメする。

復習にはある程度の時間が必要だが、そこはどれだけ今作を楽しみたいかでの判断になるかな。

 

今作『ジェイソン・ボーン』(2016)は、制作資金が潤沢にあったせいか、追う側の定番役者として、トミー・リー・ジョーンズを投入して来た。

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(C) Universal Pictures

以前の、ハリソン・フォード主演『逃亡者』(1993)での、あのしつこさはなく、やり過ぎず、主役を食わず、ほどよい存在感で、良い感じであった。

 

追う、追われる系の映画が好きな人にはオススメの映画。

単純に、派手なアクション映画が好きな人にもオススメ。

 

情報テクノロジーのスゴさ、怖さを感じたい人にもオススメ。

マット・デイモンの肉体美好きにもオススメの映画。

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(C) Universal Pictures

 

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[映画レビュー]『ルーム』(2015) 想定内のストーリーから想定外の衝撃

今、未開拓の感情を突いてほしいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4/5)
観た理由:監禁地獄から脱出するというシンプルなストーリーをどう深く描くのだろうと興味あった。
ジャンル:サスペンス、ドラマ
原題:ROOM
泣ける度:涙は出ないけど泣けてくる

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(C) ElementPictures / RoomProductionsInc / ChannelFourTelevisionCorporation2015


–あらすじ–
施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

観る前に抱いたこの映画へのイメージ、それは、

「長らく監禁されていた母と息子がついに脱出する。外の世界って素晴らしい。」以上。

 

これ面白いか? と。

 

実際にあった事件から着想を得て書かれた小説がもとになった映画とのことで、その意味ではある程度、感動するかもしれないが。

2016年アカデミー賞作品賞のノミネート作品というだけで、それがイコールで満足させてくれる映画とも限らないし。

 

そんな、ややハードルを上げた状態でこの映画を鑑賞。

ストーリー展開としては、ほぼ想定通り。特別なことは何もない。ただ、想定内のストーリー展開から、想定外の衝撃をもらった感じ。

 

映画の原作である小説の元となった話はあるようで。この手の誘拐・長期監禁事件は世界でいくつか報告されていて、世界ビックリシリーズ的な番組を通じて日本人の我々もどこかで聞いたことがある話。

ただ、この映画のストーリー自体は小説がベースとなったフィクションのとのこと。ということで、ダイレクトに実話ベースではないらしい。

 

閉じ込められた納屋から脱出するまでの展開には手に汗握る。

そして、「部屋」からの脱出自体が事の解決ではないことを、この映画は教えてくれる。

 

ストーリー前半部分の監禁生活のひどさもある意味見どころだが、むしろより注目すべきは映画後半に描かれる脱出後の生活。

自由を得たはずなのに自由じゃない、幸せになったはずなのに幸せじゃない。

 

ただ単に、誘拐・監禁犯罪のひどさを語る以上のメッセージあり。

心的にもそこまで重くなく、無理に泣かせる系映画でもなく、観るものの心にそれぞれのメッセージを届けてくれる、上質な映画。

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[映画レビュー]『ソロモンの偽証 前篇・事件』と『後篇・裁判』(2015) 裁判もの映画というより、人間成長もの映画

今、人間の、人間臭い部分を存分に味わいたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:宮部みゆき原作ものの映画化ということで、気になった。
ジャンル:サスペンス
泣ける度:(1.5/5)

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(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会


–前編・あらすじ–
クリスマスの朝、雪に覆われた中学校の校庭で柏木卓也という14歳の生徒が転落死してしまう。彼の死によって校内にただならぬ緊張感が漂う中、転落死の現場を目にしたという者からの告発状が放たれたことによってマスコミの報道もヒートアップ。さらに、何者かの手による殺人計画の存在がささやかれ、実際に犠牲者が続出してしまう。事件を食い止めようともせず、生徒たちをも守ろうとしない教師たちを見限り、一人の女子生徒が立ち上がる。彼女は学校内裁判を開廷し、真実を暴き出そうとするが……。

–前編・あらすじ–
被告人大出俊次(清水尋也)の出廷拒否により校内裁判の開廷が危ぶまれる中、神原和彦(板垣瑞生)は大出の出廷に全力を尽くす。同様に藤野涼子(藤野涼子)も浅井松子(富田望生)の死後、沈黙を続ける三宅樹理(石井杏奈)に証人として校内裁判に出廷するよう呼び掛ける。涼子は柏木卓也(望月歩)が亡くなった晩、卓也の自宅に公衆電話から4回の電話があったと知り……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

前編・後編合わせて一つの作品と考えるべき映画のため、二本で一つの映画としてレビューを書く。

 

いつものように、今作品も、原作は読まずに映画を鑑賞。

したがって、原作のこの部分が削られてて残念だったとかいう下りはこのレビューにはない。

 

原作の世界観を壊してほしくなければ、映画化されたものは観ないほうがいい。

では本題へ。

 

二本立ての映画はあまり好きではなく、疲れるのでなるべく一つの映画は一本二時間前後に収めてほしい派ではあるが、この大作に、四時間超必要だったのは、うなずける。

それほどまでにすばらしく、見応えある映画。

一つ惜しいのは、前編がプツリと突然終わってしまうところか。

 

前後編もの映画の場合、ある程度単体でストーリーが構成されることを望むが、この映画は突然プツリとくる。

映画館で鑑賞された方のあ然ぶりが想像できる。

 

ゆえに、DVDを前後編二枚同時にかりるなどして、一気に二本観るべき映画。

前編121分、後編146分と、長いので、ある程度覚悟して観ることにしましょう。

 

人気作家、宮部みゆき氏のサスペンス小説がもとになっている映画で、すごく込み入った仕掛けがあるストーリーを想定するも、それほど豪勢な仕掛けはない。

逆に、現実にありそうな素材で組み立てられたストーリーだけに、よりリアルさが増している。

 

事実を隠そうとする学校であったり、憶測から決めつけて報道するマスコミだったり

学校では生徒同士がお互い干渉し合わず、また、不良グループの一員であれど、本当の友達同士という訳でもない。

 

そんな、ありふれた日常の中、一人の生徒が校内で転落死する。

その、一人の少年の死を巡って、それぞれの思惑が交差する。

 

一人が動くと隣りに伝播する。またその一人が動くと、そのまた隣へ。

人の獲物にありつこうとハイエナのように寄ってくる者。一方で、欲望の渦に巻き込まれ、人生を台無しにする者。

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(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会

 

結局誰のための何の裁判だったのか。

各々が各々に答えを持って、散っていく。

 

算数ではなく国語、マークシートではなく記述式、的な、解釈に柔軟さを与えてくれるストーリー。

そして観終わった後、観る者それぞれに課題を与えてくれる。

 

人間の、人間臭い部分を存分に味わいたいあなたにおすすめの映画。

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[映画レビュー]『ザ・ウォーク』(2015) 一歩を踏み出せない輩たちへのメッセージ

今、何かデカいことを成し遂げたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(5/5)
観た理由:予告編がつまらなそうだったが、気になったので自分で確かめたかった。
ジャンル:ドラマ、サスペンス
原題:THE WALK
泣ける度:(1/5)

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(C)2015 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.


–あらすじ–
1974年。フランス人の大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、誰も考えついたことのない挑戦をすることに。それはニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターの屋上と屋上の間にワイヤーロープを張って命綱なしで渡っていくというものだった。そして、ついに決行の日を迎えるフィリップ。地上110階の高さに浮いているワイヤーを、一歩、また一歩と進んでいく彼だったが……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

二時間ずっと綱渡ってて、落ちそうになったりしながら最後には無事渡りきってお話は終わりかな、と、超期待低で映画館へ。

 

すみません。。  

私が間違っていました。。

 

たぶん映画のタイトルが悪いのかも、と、人のせいに。

タイトルが『ザ・ウォーク』じゃ、面白み伝わってこないでしょ。

 

でも、それが作戦だったのかもしれないが。

観てみたらこんなに面白いんだよ、という感じで。

 

スーパー、大満足です。

気がついたら手と足に汗を握ってた。

 

もちろん綱渡った人が語ってるストーリーなんだから本人は生きてるに決まってるし、落ちないに決まってる。でも、それでも汗が出る。

話のテンポもすこぶるいい。サクサク観れる感じで、退屈さが全くない。

 

ヒューマンドラマ要素あり、サスペンス要素あり、でもコアにあるのは「冒険要素」な気がした。

アドベンチャーというか、ベンチャーというか。

 

涙が出る感動とはまた違った形で、大いに感動できる映画。

あなたも歴史的イベントの「共犯者」気分を味わえます。

 

映画館で3Dで観たんですが、やっぱりこの手の映画は3Dがおすすめです。

再びあのワールドトレードセンターを3Dで。

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[映画レビュー]『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015) 自分に都合のいいルールで考えていないか?

今、スパイ映画の割り切り感を感じながらも、一方で、人間臭さも感じたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(4.5/5)
観た理由:トム・ハンクス出演映画が好きだから。ハズレが少ないから。
ジャンル:サスペンス、ドラマ
原題:BRIDGE OF SPIES
泣ける度:(2/5)

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(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and DreamWorks II Distribution Co., LLC. Not for sale or duplication.


–あらすじ–
アメリカとソ連の冷戦のさなか、保険関連の敏腕弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)は、ソ連のスパイであるアベル(マーク・ライランス)の弁護を引き受ける。その後ドノヴァンの弁護により、アベルは死刑を免れ懲役刑となった。5年後、アメリカがソ連に送り込んだ偵察機が撃墜され、乗組員が捕獲される。ジェームズは、CIAから自分が弁護したアベルとアメリカ人乗組員のパワーズ(オースティン・ストウェル)の交換という任務を任され……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

トム・ハンクスが出ているというだけで、映画全体に厚みが出てくる。

他の多くの映画が、新しい部屋に新しい家具を入れて綺麗な会議室を作りました的な仕上がりなのに対し、トム・ハンクスの出る映画は、木目調の厚みのある机が置かれている温かみのある会議室といった感じであり、全体的に重厚感を感じる。より、映画を観てるって感じになれる。

 

さて、映画本体の話へ。

最近比較的多い、実話をベースとした映画である。

 

1960年当時の、アメリカとソ連の冷戦状態での、人々が冷静に、客観的に物事を判断できない、凝り固まった価値観でいっぱいの姿が見て取れる。

そんな時代に、ソ連のスパイであるアベル(マーク・ライランス)を弁護することになった「保険」弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)。

 

世間での風当たりの強さは想像に難くない。

そしておそらく、映画の中で語られている以上の恐怖を感じながらの「お仕事」だったのだろう。

 

東ドイツを国家として認めないアメリカ政府の立場もあり、「民間人」として交渉にあたる弁護士ドノヴァン。

スパイ映画にありがちな「死んでも当方は責任を一切負わない」的な、切り離された状態で、相手が本当は誰かも確信が持てず、そして自分が誰であるかさえも相手にわからせることが難しいストレスいっぱいな状況の中、交渉に挑むドノヴァン。

 

当時、全アメリカ人にとっての「クソ野郎」を弁護する立場にあったドノヴァン。

有罪判決ありきの、死刑判決ありきの裁判の弁護をさせられるドノヴァン。

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(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and DreamWorks II Distribution Co., LLC. Not for sale or duplication.

 

二時間そこらの枠内で、これらストレスや葛藤を表現するのはやはり難しかったか。

満足度は高いものの、これら状況の厳しさを限られた上映時間内で伝えきれなかった感があるのは否めない。

 

悲しくて泣けるのではなく、人間としての美しさを見せつけられて、感動して、泣けてくる映画。

スパイ映画の割り切り感を感じながらも、一方で、人間臭さも感じたいあなたにオススメの映画。

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[映画レビュー]『予告犯』(2015) 共犯になる友情

今、世の中の正義というものにやり切れなさを感じているあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(5/5)
観た理由:飛行機の中で見逃したので気になってた。
ジャンル:サスペンス

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(C)2015映画「予告犯」製作委員会


–あらすじ–
インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男(生田斗真)が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

ハラハラドキドキのサスペンス映画と思いきや、ヒューマンタッチな部分も併せ持つ、ちょっと感動的な映画。

この映画を賞賛すると、犯罪自体を助長しているかのような印象を与えるが、それは短絡的な考え。

 

この映画が実話ベースの映画であったなら、「おすすめ」に値しないが、これはフィクション。

映画としてすごく見応えのある、メッセージ性の強い映画。

 

ストーリーは違えど、『脳男』(2013)と、やや空気感が似ている。双方、生田斗真主演。

本作は、鈴木亮平、荒川良々、濱田岳などが、周りを固める。

 

今なにかと話題のハッカー集団、アノニマスを彷彿とさせる行動をとるゲイツ(生田斗真)。

許せない者たちを、手段を選ばず懲らしめる。

 

不謹慎かもしれないが、見ていてスカッとしてしまう。

でもこれって、正直な反応だと思う。

 

きっと、この映画を支持する多くの人は、世の中の正義というものにやり切れなさを感じているのかもしれない。

いけないことと知りつつも、共感し、心が共犯化していく。

 

また、この映画は豊かな国日本の影の部分にスポットを当てている。

復帰しようとするものに厳しい日本社会が描かれている。

 

社会復帰に苦しむ人たちを、「ただ弱いだけなやつら」と一蹴するのは簡単。

そう思う人にはこの映画はどうでもいい映画だし、むしろ、怒りさえ感じるかもしれない。

 

Again, これは犯罪を助長する映画ではない。

視点を変えるだけで様々な立場に立って考える機会をくれる、秀逸な映画。

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[映画レビュー]『十三人の刺客』(2010) 本当に強い人間とは

今、壮大なるチャンバラごっこを見たいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(3/5)
観た理由:三池崇史監督の『クローズZERO』ファンだから。
ジャンル:アクション、サスペンス

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(c)2010「十三人の刺客」製作委員会


–あらすじ–
幕府の権力をわが物にするため、罪なき民衆に不条理な殺りくを繰り返す暴君・松平斉韶(稲垣吾郎)を暗殺するため、島田新左衛門(役所広司)の下に13人の刺客が集結する。斉韶のもとには新左衛門のかつての同門・鬼頭半兵衛(市村正親)ら総勢300人超の武士が鉄壁の布陣を敷いていたが、新左衛門には秘策があった。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

SMAP稲垣吾郎さん(以下、「吾郎ちゃん」と馴れ馴れしく呼ぶ。でも、友達でもなんでもない。)の悪役で、話題にもなったこの映画。

吾郎ちゃん、超極悪人です。極悪非道とはこんな感じの人を表現する言葉なんじゃないかと。

 

目を覆いたくなるシーンも少なくなく。

吾郎ちゃんの、悪役、松平斉韶役を見るだけでもこの映画を観る価値があるかも。

 

そして、

三池崇史監督なだけに、『クローズZERO』的な戦いのシーン。

これは期待を裏切らない。

それはもう斬って斬って斬りまくる十三人の刺客たち。吾郎ちゃんもある意味斬って斬って斬りまくってたね。

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(c)2010「十三人の刺客」製作委員会

 

伊勢谷友介氏が一つアクセントとして出演している。このキャラの存在はありだが、お笑いの要素はこの映画には不要だったのでは、と、そこが少し、ムムッという感じで。

 

役所広司、山田孝之、そして松方弘樹。存在感ハンパない。

松方弘樹氏に関しては、一人だけ斬り方が「この人本当に人斬ったことあるんじゃないか」というぐらい本格的で。一人だけ流れてるBGMが、時代劇ドラマのそれな感じで。

 

映像に見応えは十分あれど、ストーリー自体に深みはあまりない。いや、深みはあるのかもしれないが、意外性はない。ある意味わかりやすいストーリー展開。

壮大なるチャンバラ劇エンタテイメントを見たいという人におすすめの映画。

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[映画レビュー]『バタフライ・エフェクト』(2004) 切ない恋のタイムトラベルサスペンスストーリー

今、あの子は今頃なにをしているのかなと懐かしみたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(5/5)
観た理由:タイムトラベル系の映画が好きだから。
ジャンル:サスペンス、SF、ドラマ
原題:THE BUTTERFLY EFFECT

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(C) MMIV ALL RIGHTS RESERVED.


–あらすじ–
幼い頃、ケイリー(エイミー・スマート)のもとを去るとき、エヴァン(アシュトン・カッチャー)は、「君を迎えに来る」と約束した。だが時は流れ、ケイリーとエヴァンは全く別の道を歩んでいた。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

結構好きなタイムトラベルもの映画。

そして多くのタイムトラベルもの映画がそうであるように、この映画も「切ない」。

 

特に、子どもの頃の思い出って切ない。

子ども使うのはある種反則だけど、それがわかっていても、切ない。

 

タイムトラベルもの映画で「切ない」というと、『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』(2013) が、父と息子の心の交流に焦点をあてているのに対し、こちら『バタフライ・エフェクト』(2004)は、幼なじみの女の子との交流を描いている。

誰もが幼かった頃の、初恋を思い出すんじゃないか的な映画。

 

ストーリー展開も秀逸で、最初の10分で引き込まれ、気がついたら映画が終わっている。

「えっ!」、「あれっ?」、「えーっ!」みたいなのが、ずっと続く。

 

エヴァン(アシュトン・カッチャー)が経験する、いくつもの「自分」。

そして、最後に彼が選んだ人生は。。

 

過去を変えると現在も変わっているというのは、タイムトラベル系映画の定番だが、「現在」に戻るたびにゾクッとさせられる、タイムトラベルサスペンス映画。

最後に流れるオアシスの曲がまた、切なさをかぶせてくる。オアシスもあの頃に戻れたら。。とかも思ってしまう。

“Stop Crying Your Heart Out / Oasis”

 

懐かしい気持ちを感じながらも同時に怖さも感じさせ、観終わった後、「フーッ」と脱力させられる映画。

夜中に観て、そのまま寝ちゃえば、その後の夢の中でも楽しめるかも。

 

トライしてみてください。翌朝起きたら世界が変わってるということは、ないと思いますが。

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