[映画レビュー]『マネー・ショート 華麗なる大逆転 』(2015) なんとなく頭良くなった気になれるが、頭良くはなれない映画

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今、金融業界に精通していて、かつ、リーマン・ショックのおさらいをしたいあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(3/5)
観た理由:ブラピの久々の出演作だから。予告が面白そうだったから。
ジャンル:ドラマ
原題:THE BIG SHORT
泣ける度:(0.5/5)

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(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.


–あらすじ–
2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい、「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で出し抜いてやろうと考える。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込み……。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

ブラッド・ピットこと、ブラピが出てるというだけで判断して観に行くと怪我をする。

いわゆるマネーゲーム的な実話をベースとした映画で、この映画でのキーワードとなる金融用語「クレジット・デフォルト・スワップ」(CDS)についてだけ、事前予習しておけば良いかというと、そうではない。

 

もっと、もっと、金融商品について知識がないと、きっと、楽しめない。

金融用語だけではなく、そもそもの経済の仕組みについても理解していないと、この映画楽しかったフリをするだけで終わってしまう。

 

ではガッツリ勉強してからこの映画を観に行けばいいのか?

それも違う。

 

にわか勉強ではこの映画楽しめない。

つまり、ごく一部の経済通の人間が、お楽しみできる映画。

 

普通に考えて、100人に1人が理解できるかどうかレベル。

大学院でMBA課程を修了した私でも、経済用語の連発に頭が混乱し、映画を楽しむどころではなかった。

 

劇中、必死に色々な例えを使って解説を試みるも、それは、なんとなくわかった気にさせるだけ。

また、映画出演者が突然横を向き、解説を始めるシーンも何度かあるが、そんなシーン入れたらもう、「この映画、つまらないですから。」と言っているようなもの。

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(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画の価値は余韻を楽しませるという点において、ぶち壊しにしてくれる。

ギャグの面白さを、ギャグを言ってからここが面白いところと説明しているようで、寒い。

 

これまでも、マネーゲーム的映画はあれど、それらは素人でも理解できるレベルに経済的内容の部分をシンプルにして、映画的面白さの追求を忘れていなかった。

しかし、この映画は一般の人たちには難しすぎる。

 

ただ一つ、人が不幸になる事によって利益を得る輩に対し、ある種のメッセージ的なものがあったのが良かった。

あと、損をするのは、無知な、自分で考える事を止めた人たちであるという事を、映画を通じて教えてくれた。

 

かなり、金融業界に精通していて、かつ、リーマン・ショックのおさらいをしたい人にはおすすめな映画か。

専門用語連発の映画

「クレジット・デフォルト・スワップ」(CDS)という言葉を知っている人、その意味を人に説明できる人は100人中何人いることだろうか。

私自身、大学院で経済原理についてはたくさん学習してきたものの、この用語を聞いたのはこの映画が初めてである。

 

ではこのCDSの仕組みだけ理解していればこの『マネーショート』という映画は楽しめるのか。

CDSは、この映画に登場する数ある経済用語のうちのただの一つということを、映画を観て初めて知る。

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(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 

CDO、MBS、空売り、サブプライムローン、格付け(AAAとかBBとか)、目論見書、など。

あなたはいったいこれら用語のうちのいくつを理解でき、また、いくつを人に説明できるだろうか。

 

例えば、格付けがAAAであることとBBであることに、どういった違いがあるのか。AAAが良さそうなことは感覚的にわかるが、それがBBに格付けが下がることによってどういう影響が予想されるのか?

なぜ、劇中、住宅ローン債権の格付けが下がらないことが、「華麗なる逆転」を狙う者たちにとって都合が悪いのか? なぜ、格付け会社は実態に即して格付けを下げようとしないのか?

そんなところが一つでもわからなくなると、この映画を観ていて退屈になり、おもしろ逆転劇を煽った映画予告編制作会社を恨むことになる。

なんとなく頭良くなった気になれるが、頭良くはなれない映画。

 

人間としての本当の幸せは?

自分だけ金持ちになればいいのか。

そもそも金を手に入れる事だけが人生の全てなのか?

 

ある種のゼロサムゲーム的なところがあるマネーゲームの世界。

人の不幸を自分の喜びとして受け止めることのできる者だけが生き延びていける世界。

 

勝負事に買った者たちの、寂しそうな表情が印象に残る。

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(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 

そこが、この映画唯一の見どころなんじゃないか。

 

最後にひこと感想

皆、手に入れられる情報に大差はない時代。

そんなありふれた情報をどう活用していくか、いわゆるインテリジェンス力がカギとなる現代。

 

なんでも自分で考える癖を付けよう。

偉い人が言ってるからといって全てを鵜呑みにするのではなく、疑ってみる事も大事。

 

情報が氾濫する現代において、考えることを忘れてしまった我々に、そんな一つの重要なメッセージを発してくれる。

ストーリーは難解だが、メッセージはシンプルで重い。

 

予告編

 

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