今、染谷将太で一発笑いたいあなたにおすすめの映画
観た理由:長澤まさみ見たさに映画館に。
ジャンル:青春、コメディ、ドラマ
泣ける度:
–あらすじ–
大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気(染谷将太)は、軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することに。向かった先は、携帯電話が圏外になるほどの山奥のド田舎。粗野な先輩ヨキ(伊藤英明)のしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず、逃げようとする勇気だったが……。
〈シネマトゥデイ〉
映画の率直な感想から
以前、映画館で観ておもしろかったので、この度たまたまスカパーで放送していたのを発見し、再度観た。
ということで、今回は二度目の鑑賞。それでも一度目と同じぐらい楽しめた。ゆえに、この映画をおすすめしないわけにはいかないと思い、レビューを書く。
当初、染谷将太氏をあまり存じ上げていなく、長澤まさみ目的で映画館に向かったのだが、今観ると、素直に「染谷将太、最高!!」と雄叫びを上げたくなる。
染谷将太氏は、心に影のある、ひと癖ある役がピッタリの俳優だと思っていたが、こういうイマドキの若者役もガッツリハマっている。
普通に笑いながら観れる一方で、ところどころ学びも多い映画。
ちょっと下ネタ的な表現もあるが、それは笑い飛ばせるぐらいのレベルで、下ネタ嫌いの方でもあまり不快には感じないだろう。
一人の若者男性の成長ものストーリーとして、完全に映画の中の世界に浸ってしまい、ともに人間的成長を楽しんでしまうため、あっという間の2時間と感じる。
リアルさに欠け過ぎる矢口史靖監督映画はあまり好きではないのだが、この映画に限っては大好きな映画の一つとなった。
笑いの中にもホロっと泣けてくる、すごくあと味の良い映画。
脇を固める伊藤英明、優香、そしてもちろん長澤まさみにも大満足である。
今宵は染谷将太で一発笑いたいというあなたに、是非どうぞとおすすめしたい映画です。
自分だけ良ければいいと、自分のことしか考えてなかった
この映画を見るまで、林業についてはあまり考えたことがなかった。
矢口史靖監督の映画は、何か一つ特定のトピックについて深掘りしてくれるものが多いが、今回はそれが「林業」である。
自分で苗を植えた木を、切り倒すことがない。
自分たちが切っている木はかつて先祖が植えたものであり、自分たちが植えている苗は、自分たちの孫の代あたりが切り倒し、生活の糧にするための木になる。
つまりはガッツリ勉強してテストを受けたけど、その結果である点数を自分自身が知ることができない。
自分が受けたテスト結果が、合格なのか不合格なのかがわからない。
起業して5年後にはIPOというような、スピードばかりを意識する最近のビジネスのトレンドとは真逆に位置する業界である林業に、人間生活の奥深さを感じた。
矢口史靖監督映画は、これまであまり好きではなかった
矢口史靖監督といえば、その代表作が『スウィングガールズ』(2004)であったり、『ウォーターボーイズ』(2001)であったり、最近では、『ロボジー』(2011)や、『ハッピーフライト』(2008)など、どれもこれもそれなりには楽しめるけど、大絶賛するほどではないレベルの映画が多かった。
おそらく個人的に、過度にリアルさに欠ける見せ方に納得感を感じれなかったのだろう。
コメディー映画においては、面白おかしく作るためにも、非現実的な、ややリアルさに欠ける描写は必要であることは承知している。
しかしながら、『スウィングガールズ』(2004)での、数ヶ月そこらで、たいして練習もせずビッグバンドが成立する様や、そもそも人間がロボットの中に入っているのに気づかないという設定の『ロボジー』(2011)みたいな映画は、そのその表現の安っぽさ、ゆるさが先行して、あまり心入って観ることができていなかった。
でも、この『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(2014)では、いつもの非現実的な部分への「ありえないだろ!」というツッコミと、「いや、ありうるかも」という納得の、ちょうど中間を走っている、絶妙な面白さにうれしくなった。
この安っぽさと、リアリティの絶妙なミックス加減が、最高に面白かった。
最後にひとこと感想
「ハイ、どうぞ!笑ってください!」的なコメディー映画は好きじゃない私としては、この映画のダサカッコイイ面白さ的なものが、ツボにはまった。
貴重な、笑える邦画コメディー映画の一つとして、ここに、ご紹介させていただきたい。
長澤まさみ氏のかわゆさ、美しさを見るもよし、伊藤英明氏の肉体美を見るもよし、そして、染谷将太氏の脱力系若者が成長していく過程を楽しむのもよし。
マキタスポーツの渋い演技を見るもよし。
予告編