[映画レビュー]『予告犯』(2015) 共犯になる友情

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今、世の中の正義というものにやり切れなさを感じているあなたにおすすめの映画

観て良かった度:(5/5)
観た理由:飛行機の中で見逃したので気になってた。
ジャンル:サスペンス

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(C)2015映画「予告犯」製作委員会


–あらすじ–
インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男(生田斗真)が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。
シネマトゥデイ

映画の率直な感想から

ハラハラドキドキのサスペンス映画と思いきや、ヒューマンタッチな部分も併せ持つ、ちょっと感動的な映画。

この映画を賞賛すると、犯罪自体を助長しているかのような印象を与えるが、それは短絡的な考え。

 

この映画が実話ベースの映画であったなら、「おすすめ」に値しないが、これはフィクション。

映画としてすごく見応えのある、メッセージ性の強い映画。

 

ストーリーは違えど、『脳男』(2013)と、やや空気感が似ている。双方、生田斗真主演。

本作は、鈴木亮平、荒川良々、濱田岳などが、周りを固める。

 

今なにかと話題のハッカー集団、アノニマスを彷彿とさせる行動をとるゲイツ(生田斗真)。

許せない者たちを、手段を選ばず懲らしめる。

 

不謹慎かもしれないが、見ていてスカッとしてしまう。

でもこれって、正直な反応だと思う。

 

きっと、この映画を支持する多くの人は、世の中の正義というものにやり切れなさを感じているのかもしれない。

いけないことと知りつつも、共感し、心が共犯化していく。

 

また、この映画は豊かな国日本の影の部分にスポットを当てている。

復帰しようとするものに厳しい日本社会が描かれている。

 

社会復帰に苦しむ人たちを、「ただ弱いだけなやつら」と一蹴するのは簡単。

そう思う人にはこの映画はどうでもいい映画だし、むしろ、怒りさえ感じるかもしれない。

 

Again, これは犯罪を助長する映画ではない。

視点を変えるだけで様々な立場に立って考える機会をくれる、秀逸な映画。

どうにも引き返せない世の中になる前に

今や誰もが自分のチャンネルを持つことができ、ライブ放送を、独自のメッセージを世界に向けて発信できる世界。

顔も知らない、お互い会ったこともないやつらが抵抗なく会話を楽しむ世界。

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(C)2015映画「予告犯」製作委員会

 

個人では、個人情報なんて守りきれない世界。

ITリテラシーが低いまま、テクノロジーで溢れかえる世界飛び込む人たち。

 

権威を使って偉そうに振る舞うことに限界がきている警察。

人気商売の政治家たち。

 

 

「さあ、そろそろ自分で考えることを始めよう。」と言われている気がした。

どうにも引き返せない世の中になる前に。

 

「この空白の期間は何ですか?」

一度「正社員」という身分を手に入れてしまった人間にとって、それ以外のステータスとの大きなギャップを感じざるを得ない日本社会。

私自身、アルバイト、インターン、派遣社員、契約社員、正社員、無職、とすべてやってきたが、正社員ほど守られているステータスはない。

 

そして、一度このステータスを手に入れると、何が何でも離したくなくなる。

気づいたら、精神が崩壊している。

 

離職する。

空白期間ができる。

 

復職できなくなる。

履歴書も面接も必要のない、ブラックな仕事に就く。

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(C)2015映画「予告犯」製作委員会

 

ついには「シンブンシ」みたいになる。 かもしれない。

 

最近では、正社員にとらわれない「新しい働き方」が増えてきている。

そんな、新しい社会の動きが、この負のスパイラルな社会構造を変えるかもしれない。

 

「この空白の期間は何ですか?」

が、いつか死語になる時代が。

 

最後にひとこと感想

最後のシーン、賛否両論あるが、私はあのすっきりしない終わり方が、好きである。

あの、「共犯になる友情」の表現方法が。

 

そして「共犯者」たちの、ブラック労働現場での、お互い探り合いながらも打ち解けていく、この束の間の空間が好きだ。

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(C)2015映画「予告犯」製作委員会

 

タイプは異なるが、映画『図書館戦争』から発せられるメッセージに近いものを感じる。

「多くの人は自分に関係のないことだと思っていた」的な。

 

最後にもう一度、この映画は犯罪を助長する映画ではないので、勘違いだけはしないように。

 

予告編

 

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